ウイスキーのテイスティング表現として「ブリニー」・「ソルティ」・「潮感」このような用語が使われます。
潮風のような香り、ピリピリとした潮のニュアンスを感じた時に使われる表現ですが、具体的にどのようなウイスキーに多いのでしょうか。
今回は、「潮」の香りを感じるウイスキーについて詳しく解説していこうと思います。
ウイスキーの「潮の香り」・「ソルティ」・「ブリニー」とは???
『潮』の香り、味わいは、ウイスキービギナーにとって結構わかりにくいフレーバーだと思います。
ウイスキーのソルティ・ブリニーはともに「塩辛い」ウイスキーに使われる表現です。
- 喉の奥でピリピリとしたテクスチャを感じた時
- 潮風の香りを感じた時
- 海のようなニュアンスを感じた時
そのまま表現すると「塩辛い」が最も適した表現ですが、「塩辛い」はマイナスな印象を受ける表現だと思います。
それに単に「塩辛い」では、正直味気ないです。
そのため「ソルティ」や「ブリニー」と表現されるのだと思います。
ソルティ(Salty) | 塩気の効いたスナック、高濃度の塩味のある食べ物など |
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ブリニー(Briny) | 潮風、海の味・香りなど |
他にも塩キャラメル、海水浴、海藻などと表現されることもあります。
ウイスキーに『潮』の香りが付く理由
そもそもウイスキーになぜ『潮』のフレーバーがつくのでしょうか。
ウイスキーの『潮』の香りは、熟成中につく香りと言われています。
ウイスキーを木の樽で熟成させているとき、わずかな隙間から樽の中と外気の空気が交換されていることがあるようです
『樽が呼吸すること』と言われますが、温度や湿度・気圧の変化によって、木材はわずかに膨張・収縮することで起きます。
海辺の近くの熟成庫で寝かされたウイスキーは、長い年月をかけて潮の香りを含んだ空気を吸い、その香りが移っていくのだとか……。
熟成中以外に「潮の香り」の由来と言われているのが麦芽の乾燥時に使われるピートです。
例えばアイラのスモーキーなウイスキーに使われるピートには、「海藻」が含まれていることがあります。
そのピートを使うことで「磯」の香り、「海水の乾いた」香りを生み出していることもあるそうです。
実際には、ウイスキーにソルティな味をつけている決定的な要因はわかっていません。
ところが、「潮っぽさ」を感じさせるウイスキーがあるのは事実。
様々な要因が重なって、ウイスキーに「潮の香り」がもたらされ、飲み手を楽しませてくれているのだと思います。
2つのタイプの『潮』
ウイスキーの中の潮っぽさですが、大きく分けると海のような香りのブリニーさとピリピリとした塩のソルティなニュアンスの2つがあると思います。
例えば、ボウモアやレダイグ、カリラのような潮っぽさはまさしくブリニーといった印象が近いです。
対して、タリスカーやプルトニー、余市はブリニーさもありますがソルティな印象の方が近いでしょう。
海風が吹き抜けたようなブリニーさ、しょっぱいソルティさ。
潮のニュアンスも少しブリニーなのか、ソルティなのか探りながら飲んでみるとより深く楽しめるかもしれません。
「潮っぽさ」が楽しめるおすすめのウイスキー
ボウモア 12年
ジャンル | シングルモルト |
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生産国 | スコットランド・アイラ |
アルコール度数 | 40% |
樽 | ‐ |
熟成年数 | 12年 |
1779年創業でアイラ島最古の蒸留所であり、「アイラモルトの女王」とも呼ばれているボウモア。
ドライなスモーキーさとベリー系のフルーティな香り、ソルティな余韻が特徴。
熟成庫が海に面しており、潮風を含みながら熟成された原酒が一部使用されています。
タリスカー 10年
オールドプルトニー 12年
ジャンル | シングルモルト |
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生産国 | スコットランド |
アルコール度数 | 40% |
樽 | バーボン樽メイン |
熟成年数 | 12年 |
「海のモルト」と言われるほど、ソルティなニュアンスが強い銘柄「オールドプルトニー」。
潮風のようなブリニーさにバニラ香、青リンゴのフレッシュな果実、フルボディながらスムースな味わいが特徴です。
かつてはニシンとモルトウイスキーで栄えた街「プルトニー」で造られているモルトウイスキーでラベルにはニシン漁船が描かれています。
また特徴的なひょうたんのようなボトルの形は、プルトニー蒸留所のポットスチルの形状を表現。
ぜひプルトニーのボトルを見ながら遠いスコットランドの海の風をご堪能ください。
トバモリー12年
タリスカー ストーム
ブナハーブン 12年
ジャンル | シングルモルト |
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生産国 | スコットランド・アイラ |
アルコール度数 | 46% |
樽 | バーボン樽・シェリー樽 |
熟成年数 | 12年 |
クセの強いことが特徴のアイラモルトの中で、「最も飲みやすい」シングルモルト!!
ライトな味わいに、レーズンやチョコレートのようなフレーバーとソルティな余韻が特徴。
もともとノンピートで作られていたシングルモルトですが、現行ではライトピートのシングルモルトとなりシェリー樽比率もUP。
スモーキーさとシェリー樽由来の複雑さが絡み合う一本となっています。
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