ハイボールは、自家で気軽に楽しめるカクテルの一つ。
会食やパーティーの場を上品にしたいと思っている方や、自家でまったりした時間を過ごしたい人にも最適です。
この記事では、ハイボールの基礎知識から実際の作り方、そしてプロが伝授するコツを徹底解説。
簡単に作れるレシピやアレンジの魅力を紹介させていただきます!
ハイボールの基本と作り方
ハイボールとは
ハイボールは、基本的にはウイスキーの炭酸割りの事です。
ところが、ウイスキー以外でもラムやブランデー、焼酎などの炭酸割りもハイボールと呼ばれることがあります。
また広い意味では、「お酒をノンアルコールの飲料で割ったもの」=ハイボール。
お酒の炭酸割りをハイボールと思い浮かべることが多いですが、ハイボールは意外と広い意味を持っているのです。
ハイボールの特徴
ウイスキーを炭酸で割ったハイボールは、シンプルながら奥深い味わいが特徴です。
爽快な飲み心地が、老若男女問わず幅広い年代に支持されています。
ハイボールは特に日本の居酒屋文化で人気があり、軽い口当たりとアルコールの程よい刺激で、食事と相性抜群です。
ハイボールの歴史
ハイボールは19世紀後半にアメリカで生まれた説が有力です。
鉄道説・デュワーズ説・ゴルフ説の3つがよく語られており、鉄道とデュワーズ説が特に有力とされています。
- 鉄道説
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当時アメリカの汽車の信号はボール型でボールが上がれば「Go」、下がっていれば「Stop」でした。
停車中、乗客たちはウイスキーのソーダ割りを楽しんでいましたが、ボールが上がった瞬間「ハイボール(出発進行!)」と共に乾杯していたことから名付けられた。
- デュワーズ説
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デュワーズの創業者の息子”トミー・デュワー”がバーで背の高いコリンズグラスにウイスキーのソーダ割りを入れて提供するよう提案。
その時に言った「HAVE A BALL(楽しもう!)」から、「ハイボール」となった。
- ゴルフ説
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ソーダをチェイサーにウイスキーを楽しんでいたゴルファー。
突然自分の番が来て慌ててウイスキーとソーダを割って飲み干そうとしたときに高く打ち上がったボール(High Ball)が飛んできてグラスに落ちた出来事が由来。
他にも泡が上がっていく様子からハイボールと名付けられたなど、多数説があります。
ただどれも時系列は19世紀後半ぐらいであり、この時期に炭酸水が広まり始めたことが要因でしょう。
日本には、昭和の時代に大衆居酒屋で広がりましたが、ハイボールが今ほどの市民権を得たのは最近の事です。
2000年代に入ってからサントリーの「角ハイボール」・「トリカラ」などのプロモーションが功を奏し再ブーム。
また、当時のNHK連続ドラマ「マッサン」の影響から、ウイスキーの知名度が高くなり、今では家庭でも気軽に楽しめる飲み物として定着しました。
同時にウイスキーの注目度が上がったことや世界的なクラフトウイスキーブームが後押しし、ウイスキーをハイボールでお楽しみになる方が増えています。
ハイボールの人気の理由
ハイボールが人気を集める理由は手軽さとバリエーションの豊富さではないでしょうか。
ウイスキーや炭酸水の銘柄を変えるだけで味わいが変化し、自分好みの一杯を追求できます。
また、アルコール度数を調整できるため、飲みやすさを自由にカスタマイズ可能。
さらに、低カロリーである点も女性を中心に支持されています。
- 手軽さ
- バリエーションの豊富さ
- アルコール度数が調節できる(低アルコールで楽しめる)
- コスパがいい
- 低カロリー
など
ハイボールの作り方
使用する材料
ハイボールを作る際に必要な材料は以下の通りです
ウイスキー | 好みの銘柄を選びましょう。 初心者には飲みやすいライトタイプがおすすめです。 |
---|---|
炭酸水 | 強炭酸がおすすめ。 ガスが抜けにくく爽快感が持続します。 |
氷 | 大きめの氷が理想。 溶けにくく、飲み物が薄まるのを防ぎます。 また、大きめの氷の方が炭酸が持続しやすいです。 |
レモン(オプション) | 爽やかな香りと酸味をプラスします。 |
一杯分のウイスキーと炭酸水の量
ハイボールの基本的な一杯分の量は以下の通りです。
ウイスキー | 30~45ml(お好みで調節) |
---|---|
炭酸水 | 90~150ml |
一般的には、ウイスキー1に対して炭酸水3~4の割合が理想とされています。
ハイボールの黄金比と割合
ハイボールの黄金比はウイスキーと炭酸水の割合が「1:3」とされています。
この比率は飲みやすさと風味のバランスが絶妙です。
ただし、濃い味わいを好む場合は「1:2」、軽めが好きなら「1:4」に調整しても問題ありません。
ウイスキー:炭酸水=1:1で楽しむハーフソーダも通な楽しみの一つ。よかったらお試しください!
オススメの作り方手順
グラスを冷凍庫や冷蔵庫で冷やしておくのもいいかと思います。
グラスをよく冷やすことで爽快な炭酸の効いたハイボールが楽しめるでしょう。
ウイスキーを30~40mlほど注ぎ、軽くステアしてウイスキーを冷やします。
こちらも冷やすことで、炭酸水と混ざりやすくなり、冷え感のあるハイボールとなります。
ウイスキーの3~4倍(30mlとして90~120ml)の炭酸水を注ぎます。
氷に当ててしまうと炭酸が抜けやすくなってしまうため注意してください。
ここを気を付けることで、爽快な炭酸感がお楽しみいただけるでしょう。
炭酸を入れた後に混ぜすぎてしまうと炭酸が抜けてしまい、ハイボールの良さが楽しめません。
また、炭酸によってウイスキーが混ざりやすくなっているため、2~3周ほど軽く混ぜる程度で十分です。
【応用編】おすすめのハイボールの作り方
冷凍ウイスキーで作るハイボール
ハイボールは冷凍させたウイスキーで作ると美味しく作ることができます。
特にサントリー角瓶やキリンの陸など味わいや香りにクセがなくリーズナブルな価格帯のウイスキーを冷凍させて作るハイボールがおすすめです。
ウイスキーのアルコール度数では冷凍させても凍ることがなく、通常のハイボールよりシッカリと冷えた一杯がお楽しみいただけます。
ところが、すべてのウイスキーが冷凍に向いているわけではありません。
冷凍に向いているウイスキーと冷凍が推奨されていないウイスキーについては下の記事をご参照ください。
神戸ハイボール
氷なしで作るハイボールのことを「神戸ハイボール」と言います。
今のように冷凍庫がなかった時代では、ウイスキーと炭酸水を氷で冷やし氷を入れずに提供していたハイボールがスタンダードでした。
ハイボール人気が高まった時期に、古き良き神戸のカフェバー「サンボア」を参考に、氷なしのハイボールを「神戸ハイボール」としてプロモートしたのがこの名称のきっかけだと言われています。
比率はウイスキー:炭酸水=1:3がベスト。
氷が入らないことでぬるくなってしまう欠点はありますが、氷が溶けて薄まることがないため、ウイスキーの味わい・香りを楽しみたい方に人気のハイボールスタイルとなっています。
ハイボールに使えるウイスキーのおすすめ
【ビギナー向け】ハイボールにおすすめのウイスキー銘柄
グレングラント アルボラリス
ジョニーウォーカー ブラックラベル 12年
ジャンル | ブレンデッドウイスキー |
---|---|
生産国 | スコットランド |
アルコール度数 | 40% |
樽 | ‐ |
熟成年数 | 12年 |
ジョニーウォーカーブラックラベルは、世界No.1スコッチウイスキーブランド”ジョニーウォーカー”のフラグシップボトルです。
4種類のキーモルト(クライヌリッシュ、グレンキンチー、カリラ、カーデュ)に29種類以上ものモルト原酒を使用。
12年以上熟成させた原酒のみ厳選しブレンドされています。
奥深くバランスのいい味わいと華やかな香り、スモーキーなアクセントが特徴です。
ストレートからハイボールまで幅広くお楽しみいただけます。
デュワーズ 12年
ブラックニッカ リッチブレンド
サントリー 角瓶
ブレットバーボン
ジャンル | バーボンウイスキー |
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生産国 | アメリカ・ケンタッキー州 |
アルコール度数 | 45% |
樽 | 新樽 |
熟成年数 | ‐ |
1700年代に作られ1860年不慮の事故により一度失われてしまったウイスキー銘柄「ブレットバーボン」。
1987年に創業者のひ孫にあたるトム・ブレット氏が復活させました。
ミングリングと呼ばれる単一の蒸留器で作られた原酒を使用。
ライ麦比率が高い独特のブレンディング方法を採用しています。
すっきりとした味わいとスパイシーな印象、甘いはちみつのような甘い香りが特徴です。
ブレンデッドウイスキー バスカー
ジャンル | ブレンデッドウイスキー |
---|---|
生産国 | アイルランド |
アルコール度数 | 40% |
樽 | バーボン樽 シェリー樽 マルサラ樽 |
熟成年数 | ‐ |
ロイヤルオーク蒸留所で作られているブレンデッドウイスキー「バスカー」。
アイリッシュのウイスキー原酒3種類(モルト、グレーン、ポットスチル)のうち、モルト原酒とポットスチル原酒を一般的なアイリッシュブレンデッドウイスキーより多く使用。
贅沢にバーボン樽、シェリー樽、マルサラ(老舗トップブランドの「フローリオ」)樽で熟成させた原酒をブレンドしています。
トロピカルフルーツのような華やかな香りにやわらかな甘み、トロっとした口当たりが特徴。
リーズナブルな価格のスタンダードアイリッシュブレンデッドですが、ワンランク上の味わいがお楽しみいただけます。
カナディアンクラブ
【エキスパート向け】ハイボールにおすすめのウイスキー銘柄
シーバスリーガル 18年
グレングラント 15年
ビックピート
ジャンル | ブレンデッドモルト |
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生産国 | スコットランド |
アルコール度数 | 46% |
樽 | ‐ |
熟成年数 | ‐ |
「アイラ島の個性を詰め込んだブレンデッドモルト、ビッグピート」
アイラ島のシングルモルト・スコッチウイスキーのみをマリアージュして作られたブレンデッドモルトウイスキー。
ダグラスレイン社のブレンデッドモルト・シリーズのひとつとして、スコットランドのモルトウイスキー産地を代表する存在です。
- 甘さをもたらすカリラ
- 完璧なバランスを誇るボウモア
- 薬草のような個性を持つアードベッグ
- エレガントさを感じさせる幻のポートエレン
など
アイラ島の個性豊かな蒸留所のウイスキーが絶妙に調和しています。
アイラモルトならではの力強さと複雑さが楽しめる、ウイスキー愛好家必見の逸品です。
アードベッグ 10年
ジャンル | シングルモルト |
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生産国 | スコットランド・アイラ島 |
アルコール度数 | 46% |
樽 | アメリカンオーク(バーボン樽) (1stフィル & 2ndフィル) |
熟成年数 | 10年 |
カルト的な人気を誇るアードベッグ蒸留所のフラグシップボトル。
バーボン樽で10年以上熟成された原酒を使用し、ノンチルフィルタード(冷却ろ過をしていない)・アルコール度数46%でボトリングされています。
アイラモルトらしい強烈なスモーキーフレーバーとトロピカルフルーツのような香り、繊細な甘みが特徴です。
2008年にはワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。
ブルックラディ クラシックラディ
ジャンル | シングルモルト |
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生産国 | スコットランド・アイラ |
アルコール度数 | 50% |
樽 | バーボン樽、ワイン樽など |
熟成年数 | ‐ |
アイラ島の湧き水やスコットランド産大麦100%使用などテロワールにこだわるブルックラディ蒸留所のフラグシップボトル。
アイラ島ながらノンピートで作られており、フルーティでフローラルなエレガントさが特徴です。
アルコール度数50%とハイプルーフですが、口当たりがなめらかで奥深い余韻がお楽しみいただけます。
によりストレートやロック、ハイボールなど幅広く活躍できる一本です。
ジェムソン スタウトエディション
ジャンル | ブレンデッドウイスキー |
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生産国 | アイルランド |
アルコール度数 | 40% |
樽 | バーボン樽 シェリー樽 スタウトビール樽 |
熟成年数 | ‐ |
ジェムソン スタウトエディションは、スタウトビール(黒ビール)の樽でフィニッシュさせたアイリッシュブレンデッドウイスキーです。
ジェムソンの熟成樽を地元クラフトビール醸造所「Eight D Brewing」で作られたスタウトビールの熟成に使用。
その樽で再びジェムソンを追加熟成させています。
原酒由来の爽やかでフルーティな香りにチョコレートやナッツのような甘みや香ばしさが特徴。
スタウトビールは、アイルランドで有名なビアスタイルの一つで、自国にこだわるジェムソンらしい一本です。
ティーリング スモールバッチ
ジャンル | ブレンデッドウイスキー |
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生産国 | アイルランド |
アルコール度数 | 46% |
樽 | ラム樽フィニッシュ |
熟成年数 | ‐ |
「ラム樽熟成が生み出す魅惑の味わい、ティーリング・ウイスキー」
ダブリンを拠点とする独立瓶詰業者ティーリング・ウイスキー社が手がける少量限定生産のブレンデッド・アイリッシュウイスキー。
モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした後、ニカラグアのラムカスクでさらに後熟成。ノンチルフィルターでボトリングされています。
バニラとスパイスがラム由来の甘さと踊るような香りが広がり、口当たりはスムースで、ラム樽特有の甘さとほのかなウッディさを感じられます。
フィニッシュにはスパイスの効いた甘さに続いて、ウッディな風味が顔を覗かせます。
2015年サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティションでダブルゴールドを受賞、アイリッシュ・ウイスキー・マスターズでも金賞に輝いた逸品です。
ニッカ セッション 奏楽
ウッドフォードリザーブ
ジャンル | バーボンウイスキー |
---|---|
生産国 | アメリカ・ケンタッキー州 |
アルコール度数 | 43% |
樽 | 新樽 |
熟成年数 | ‐ |
ケンタッキー州最古の蒸留所といわれているウッドフォードリザーブ。
クラフトマンシップに則った少量生産のスーパープレミアムバーボンウイスキーです。
マッシュビルはコーン72%、ライ麦18%、モルト10%と一般的なバーボンよりライ麦比率の高くなっています。
ライ麦由来のスパイシーな香味、クランベリーのようなフルーティさ、甘く芳醇な樽香が特徴。
ストレート、ハイボール、ロック、カクテルと幅広く楽しめる銘柄で、世界中のプロのバーテンダーから支持されています。
ジェントルマンジャック
ジャンル | テネシーウイスキー |
---|---|
生産国 | アメリカ・テネシー |
アルコール度数 | 40% |
樽 | 新樽 |
熟成年数 | ‐ |
2度チャコールメローイング製法を行ったジャックダニエル”ジェントルマンジャック”。
テネシーウイスキーは、蒸留後にサトウカエデの炭で一滴一滴ろ過して作られていますが、ジェントルマンジャックはその工程を2度行っています。
バニラやメープルの甘い香りにスムースでほのかにフルーティなフレーバーが特徴。
手間のかかる製法により生産量が限られてしまうレアなテネシーウイスキーです。
ホイッスルピッグ 10年
ハイボールのアレンジ方法
ウイスキーのアレンジは無限大です。
ハイボールの炭酸を別の炭酸飲料に変えることやフレーバーシロップを混ぜてみる、ハーブを混ぜてみるなど……
以下の例を参考にしてみてください。
- ジンジャーハイボール: 炭酸水の代わりにジンジャーエールを使用。
- フルーツハイボール: グラスにフルーツ(オレンジやベリー類)を加える。
- ハーブハイボール: ミントやバジルを飾り、香りを楽しむ。
また、茶葉やコーヒー豆、果物などを漬け込んだウイスキーで作るハイボールもおすすめです!
漬け込みウイスキーの作り方・楽しみ方については別の記事にまとめました。
気になる方は、下の記事をご参照ください。
ハイボールを美味しく飲むためのポイント
氷の入れ方とこだわり
ハイボールを美味しく楽しむために、まず最初にこだわりたいポイントは「氷」です。
冷たさをキープするために氷を入れることが多いですが、氷のサイズ・状態・形状などによってハイボールの香りや味わい・感じ方が変わってしまいます。
例えば、氷が大きいほど溶けにくく、味は薄まりにくいです。
また、角が少ないほど溶けにくく、炭酸も抜けにくい傾向があるので、オーセンティックなバーではグラスのサイズに合った氷柱や大きめの角氷が使われます。
ご自宅で楽しむ場合、そのような氷を用意することは困難ですが、市販のクリアアイスを使うことで美味しいハイボールをお楽しみいただけるでしょう。
また透明感が増し、見た目も美しく仕上がります。
ぜひ氷選び方楽しんでみてください!
炭酸水の選び方
こだわりの美味しいハイボールを楽しむなら、炭酸水も重要なポイントです。
炭酸水は強炭酸タイプがおすすめ。
強炭酸の方が、爽快感が増し炭酸の気泡に乗ったウイスキーの芳醇な香りがお楽しみいただけます。
国産ブランドでは「ウィルキンソン」や「サントリーソーダ」が定番です。
自家製の炭酸水を作る場合は、専用の炭酸水メーカーもおすすめ。
ぜひさまざまな炭酸水でハイボールをお楽しみください!
よくある質問
本記事を参考に、ぜひ自宅でプロ顔負けのハイボールを楽しんでください!
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