「コミュニティ蒸留所」としてウイスキー通から期待されている「グレンウィヴィス」。
今回は、蒸留所初となるメジャーリリースボトル「グレンウィヴィス バッチ2/2018ヴィンテージ」をテイスティングレビューします。
『グレンウィヴィス バッチ2/2018ヴィンテージ』について
歴史上固有名詞が確認できる最古の蒸留所「フェリントッシュ」。
グレンウィヴィスはフェリントッシュ蒸留所の系譜に連なり、2015年に設立。
2017年11月30日のセント・アンドリュース・ディに操業を開始しました。
1689年カローデンのダンカン・フォーブスが所有蒸留所がジャコバイト(反乱軍)により焼き討ちにあったことで、その補償として免税特権を持つフェリントッシュ蒸留所が創立。
固有名詞が確認できる最古の蒸留所で、醪法(Wash Act)が制定された1784年まで免税特権は続きました。
特権の廃止と共に姿を消した蒸留所です。
スコットランドを代表する詩人”ロバート・バーンズ”は1785年「スコットランド人の酒(Scots Drink)」の中で
”フェリントッシュよ、お前は不幸にも失われてしまった。スコットランドの津々浦々、悲しみの声で満ち溢れている”
と嘆いていました。
Thee, Ferintosh! O sadly lost!
引用:https://www.nts.org.uk/stories/scotch-drink
Scotland lament frae coast to coast!
グレンウィヴィスの蒸留所名は、同じくフェリントッシュの系譜を持ち1926年に閉鎖されたベンウィヴィスとグレンスキアックの両蒸溜所に由来します。
2002年、英国軍のヘリ・パイロットをしていた”ジョン・マッケンジー”氏が故郷ディングウォールにクラフト・ウイスキー蒸留所を作り、地域貢献したいと考えます。
スコットランド初となるコミュニティが所有する蒸留所をクラウドファンディングで実現する方法を検討。
2014年にクラウドファンディングを開始し、目標金額150万ポンドを上回る200万ボンド強も集まり、2017年に蒸留所は建設されました。
蒸留所初のメジャーリリースとなる「グレンウィヴィス バッチ2/2018ヴィンテージ」は、
- 1stフィル・テネシーウィスキー樽が60%
- 1stフィルオロロソシェリー樽が25%
- リフィル樽が15%
の比率でブレンドされております。
大麦 | ハイランド大麦 コンチェルト種、 2017年産、 ベアーズ・インヴァネス・モルティングスにて製麦 |
---|---|
水 | 敷地内の帯水層 |
酵母 | ピナクル・ディスティラーズ・クランブル・イースト |
平均発酵時間 | 96時間 (115時間のロングと70時間のショートの組み合わせ) |
スピリッツカットポイント | アルコール度数71%-65% |
樽詰めアルコール度数 | アルコール度数63.6% |
ボトリング | アルコール度数46.5% ノンチルフィルタード ナチュラルカラー |
公式のコメント
香り:バナナ、マシュマロ、白ブドウの優しい甘さからジャムのような甘さに変化する。奥から若い洋梨やパイナップルとともにお粥と塩辛さ。
味わい:バニラファッジ、シャーベットフィズ、レモネード、キウイフルーツ、洋梨のドロップ。オークのスパイス、甘さをともなう心地良い酸味。
フィニッシュ:ホワイトチョコレート、プレーンヨーグルトをかけたラズベリーやブルーベリーが穏やかな甘さとともに長く続く。
引用:https://ultimatespirits.jp/shopdetail/000000005062/
『グレンウィヴィス バッチ2/2018ヴィンテージ』レビュー
アルコール度数 | 46.5% |
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年数 | ‐ |
ジャンル | シングルモルト |
ボトル容量 | 700ml |
価格帯 | 9000~10000円 |
おすすめ度 | 95/100 |
コメント
ストレート
最初の口当たりは軽くて滑らかな印象です。
トロピカルフルーツの華やかなフルーツと白ブドウの爽やかでジューシーなフルーツ。
マジパンやマシュマロのような砂糖菓子の甘いフレーバーが続き、ソルティな印象がピリッとしたアクセントを与えています。
シナモンやクローブ、ジンジャーのスパイスのフレーバーとほのかな樽香。
ホワイトチョコやレアチーズのようなミルキーさがある甘い余韻が長く続きます。
トロピカルフルーツ→白ブドウとタイプの違うフルーティさが個人的に好きです。
トワイスアップ
優しい口当たりで、軽い印象と砂糖菓子のような甘いフレーバー。
ストレートの時に比べて白ブドウの印象は薄れ、砂糖を絡めたドライパインのようなトロピカル香が残ります。
フィニッシュはスイートな印象とフルーティさを残しつつ、わずかにソルト。
甘い余韻が程よく続きます。
ストレートに比べて爽やかさが欠けるものの、フルーティでスイートな印象がいいですね!
ロック
口当たりがまろやかで、白ブドウのような爽やかなフルーツのフレーバーが楽しめます。
華やかですが、ストレートやトワイスアップ、ハイボールに比べてビターな印象。
ジンジャーのようなスパイシーなフレーバーとパインのようなトロピカルフルーツの香りを感じつつ、程よく流れる余韻へと続きます。
甘さが抑えられて、ビターな印象が現れます。ストレートで甘いフレーバーが気になった方は、ロックがおすすめ!
ハイボール
パイナップルやバナナ、パパイヤの華やかなトロピカル香にフレッシュな白ブドウやシトラス、洋梨のさわやかな果物の印象。
ストレートやトワイスアップに比べてスムースな口当たりに軽快な味わいです。
フルーティで優しいアフターフレーバー。
ほのかにソルティさとシロップの甘い印象が残ります。
スムースで飲みやすいです。ストレートで「強い」と感じた方はハイボールがいいでしょう!
飲み方別おすすめ度
飲み方 | おすすめ度 |
---|---|
ストレート | 5 |
トワイスアップ | 4.5 |
ロック | 4.5 |
ハイボール | 5 |
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コメント
コメント一覧 (1件)
[…] 前回の「2018年ビンテージ バッチ2」に比べて発酵時間が長くなっており、ワイン樽熟成の比率が高め。 […]