バーボンウイスキーの聖地として知られるバッファロートレース蒸溜所が、「禁酒法コレクション」第2弾を発表しました。
このシリーズは、アメリカの憲法修正第18条、いわゆる禁酒法の時代に、同蒸溜所で合法的に生産・販売されていたウイスキーの歴史を称えるものです。
当時の銘柄を再現した特別なリリースとして、ウイスキー愛好家や歴史ファンから注目を集めています。
禁酒法コレクション第2弾では、アルバート・B・ブラントン社長のもとでジョージ・T・スタッグ蒸溜所(現在のバッファロートレース蒸溜所)が製造していた5つの銘柄を称えています。
これらの銘柄は以下の通りです。
- ミラー・ブルック
- ヴェリー・オールド・プロキュラブル(V.O.P.)
- アンダーソンズ・ベル
- オールド・ファッションド・マウンテン・コーン
- シルバー・ウェディング・ライ・ウイスキー
これらのボトルは、それぞれの歴史を忠実に再現した目を引くラベルデザインが特徴で、当時の時代背景や風格を感じさせる仕上がりとなっています。
禁酒法時代とは
1920年から1933年まで続いた禁酒法は、アメリカのアルコール史において最も物議を醸した時代のひとつとされています。
憲法修正第18条の批准により、アルコールの製造、販売、輸送が禁止され、多くの蒸溜所が閉鎖を余儀なくされました。
しかし、例外として医療用目的のウイスキー製造が許可されており、このライセンスを獲得したのは全米でわずか6つの蒸溜所だけでした。
ジョージ・T・スタッグ蒸溜所はそのひとつであり、禁酒法時代においても製造を継続しました。
薬用ウイスキーは当時、医師の処方箋があれば合法的に入手できる製品でした。
この背景には、ウイスキーがさまざまな病気を治療すると信じられていたことがあります。
そのため、米国政府は選ばれた蒸溜所に限定的なライセンスを与え、薬用としてのウイスキー製造を認めたのです。
歴史を紐解く「禁酒法コレクション」
今回のリリースは、バッファロートレース蒸溜所のアーカイブで発見された歴史的な文書や記録をもとに企画されました。
当時の銘柄名やラベルデザインはもちろんのこと、製造方法や味わいの特徴も忠実に再現することに重点を置いています。
さらに、このシリーズは単なる懐古主義ではなく、禁酒法時代のウイスキーがどのような意味を持っていたのかを現代に伝える試みでもあります。
当時、合法的に製造されたウイスキーは限られており、非常に貴重なものでした。
その中で、ジョージ・T・スタッグ蒸溜所が生み出した銘柄は、品質の高さと希少性で際立っていました。
現代のウイスキーファンへのメッセージ
「禁酒法コレクション」は、ウイスキーの歴史と文化に敬意を払いつつ、現代のウイスキー愛好家に向けて特別な体験を提供します。
各ボトルには、禁酒法時代のストーリーとともに、当時の銘柄が持つ個性が表現。
これにより、ウイスキーが単なる嗜好品ではなく、歴史や社会と深く結びついた存在であることを感じ取ることができるでしょう。
また、今回のリリースは数量限定であり、各銘柄の希少性がさらに高まっています。
このシリーズは、歴史的価値のあるウイスキーを手にしたい方や、コレクションの一部として所有したい方にとっても魅力的なものとなっています。
最後に
バッファロートレース蒸溜所は、アメリカで最も長い歴史を持つ蒸溜所として、これまでも革新と伝統を融合させた製品を提供してきました。
「禁酒法コレクション」は、ウイスキーの奥深い歴史を感じることができる特別なシリーズであり、ウイスキー文化をさらに広める役割を果たすでしょう。
禁酒法という時代の試練を乗り越え、現在に至るまでその伝統を守り続けているバッファロートレース蒸溜所。
このシリーズを通じて、禁酒法時代のウイスキーが持つ物語に触れてみてはいかがでしょうか。
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