ゴードン&マクファイルが贈る「ミスター・ジョージ・レガシー・シリーズ」第5弾であり最終章、1954年蒸留のグレングラントは、ウイスキー熟成の極致を体現した逸品です。

ジョージ・アーカートの信念が息づく“レガシー”の真価

創業130周年を迎えた名門ゴードン&マクファイル(G&M)は、同社の2代目当主ジョージ・アーカート氏へのオマージュとして、希少かつ超長期熟成のシングルモルトを瓶詰めした特別なシリーズを展開してきました。第5弾はその集大成であり、1954年に蒸留、70年もの長きにわたってファーストフィル・シェリーパンチョンで熟成されたグレングラントが登場しました。
このボトルは、ジョージ氏の“完璧な一杯”への情熱を象徴する存在であり、スピリッツ、オーク、そして時間を極めた哲学が凝縮された1本です。
歴代レガシーを徹底比較:5本の個性と魅力を一挙紹介
このシリーズは、以下の5つのヴィンテージ・グレングラントで構成されています。すべてファーストフィル・シェリー樽熟成でありながら、それぞれが異なる香味を備えています。
エディション | 蒸留年 | 熟成年数 | アルコール度数 | 熟成樽 | 本数 | テイスティングノート |
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第1弾 | 1953年12月24日 | 67年 | 59.4% | シェリーバットNo.4209 | 355本 | レーズン、干しイチジク、ランシオ香、キャラメルとチョコ、リコリス、焦げたオーク |
第2弾 | 1957年 | 64年 | 56.1% | シェリー樽No.3438 | 298本 | ベリー、ダークチョコ、紅茶、ユーカリ、熟成オーク、黒胡椒 |
第3弾 | 1959年10月15日 | 63年 | 56.5% | シェリーバットNo.3665 | 368本 | ブラウンシュガー、赤果実、チョコ、ナツメグ、熟成感 |
第4弾 | 1958年 | 65年 | 59.4% | シェリー樽No.3818 | 376本 | オレンジピール、エスプレッソ、キャラメル、ランシオ、冷燻 |
第5弾 | 1954年4月24日 | 70年 | 50.5% | シェリーパンチョンNo.1823 | 130本 | バニラファッジ、赤リンゴ、くるみ、キャラメルバナナ、ダークチョコ、スモーキーな余韻 |
入手困難な伝説の一杯:コレクターが追い求める理由
このような超長期熟成のウイスキーは、飲むためだけでなくコレクションや文化的遺産としての価値も備えています。入手困難な逸品ではありますが、ウイスキー愛好家・研究者・コレクターの皆様にとっては、まさに垂涎の的といえるでしょう。
また、G&Mの歴史や哲学を知ることは、シングルモルトの奥深さを理解するうえで重要です。ウイスキーの選び方、楽しみ方に新たな視点を与えてくれます。
クラフトマンシップの継承と革新が詰まった1本
「ミスター・ジョージ・レガシー・シリーズ」は、ウイスキー熟成の頂点を極めた傑作群です。70年という歳月を経たグレングラント1954は、その最終章にふさわしい風格を備えています。
記事まとめ(箇条書き)
- ゴードン&マクファイルは創業130周年を迎える老舗独立瓶詰め業者
- 「ミスター・ジョージ・レガシー」シリーズは故ジョージ・アーカート氏への敬意として開始
- すべてファーストフィル・シェリー樽で熟成されたグレングラントを使用
- 第5弾は1954年蒸留・70年熟成・50.5%・130本限定
- 香りはバニラファッジ、焙煎コーヒー、果実香が主軸
- 味わいは赤リンゴ、ドライオレンジピール、キャラメルバナナ、タバコ、チョコ、スモーク
- ウイスキー愛好家・コレクターにとって極めて貴重な存在
- シリーズ全体を通して、G&Mの熟成技術とジョージ氏の哲学が結晶化
このウイスキーは、時間の重みと人の情熱が織りなす芸術品です。
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