ジェイコブス・パードン「カスク・コレクティブ」16年オロロソ・シェリー樽仕上げが発表|熟成アメリカンウイスキーの新潮流

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アメリカンウイスキーの「熟成×シェリー樽」新時代を楽しもう

アメリカンウイスキー愛好家の皆さまにぜひ注目していただきたい新作が登場しました。それが「ジェイコブス・パードン『カスク・コレクティブ』16年オロロソ・シェリーカスクフィニッシュ」。

16年熟成という長期熟成原酒を、スペイン・ヘレスの名門ボデガス・ウィリアムズ&ハンバート社製50年物オロロソ・シェリー樽でフィニッシュ。全米でもわずか48樽という極めて少量生産です。

結論として、これは「バーボン的豊潤さとシェリー樽熟成による奥深さ」を融合させた意欲作で、アメリカンウイスキーの表現を広げる新しい選択肢になるでしょう。


目次

この記事の目的:読者の疑問を解決する

  • 「アメリカンウイスキーなのにシェリー樽フィニッシュ?」
  • 「16年熟成って珍しいの?」
  • 「どんな味わいで、いくらくらい?」

こうした疑問に専門家の視点で答え、購入検討や理解の助けになる情報をまとめます。


「カスク・コレクティブ」シリーズとは

ジェイコブス・パードンが立ち上げた限定シリーズ「Cask Collective」は、特別な樽選定とフィニッシュでアメリカンウイスキーの新しい可能性を探るプロジェクトです。

アメリカンウイスキーというと、伝統的にはバーボンやライの新樽熟成が基本。ところが近年、シェリー樽やワイン樽などでのフィニッシュを取り入れる動きが増えています。

「カスク・コレクティブ」はその流れをさらに先鋭化し、個性的かつ限定的なロットでコレクター心をくすぐります。


16年熟成の意味と希少性

アメリカンウイスキーの長期熟成は実は非常に難易度が高いです。

ケンタッキーやインディアナなどの温暖な気候では、樽熟成が急速に進むため、10年超えの長期熟成は樽由来のタンニンや渋みが強くなりすぎる危険があります。

今回の16年熟成は、それをあえて実現させたチャレンジであり、非常に緻密な樽管理と選定が前提。加えて、オロロソ・シェリー樽での追熟(フィニッシュ)を50年物という極上の古樽で行うことで、渋みを丸めつつ複雑さを付与しています。

この点で「長期熟成=ただ長ければ良い」ではなく「長期熟成をコントロールし、フィニッシュで調律する」という現代のウイスキーづくりの技術が光ります。


オロロソ・シェリー樽フィニッシュの特徴

シェリー樽、それもオロロソの古樽でのフィニッシュは以下のような効果をもたらします。

  • ドライフルーツやナッツの香味
  • 奥行きのある酸化熟成香(オロロソ特有のリッチさ)
  • タンニンやスパイスの微細なニュアンス

今回使われたウィリアムズ&ハンバートの50年物オロロソ樽は、まさに「生きた調味料」。新樽の強いバニラ感や焦がし香に、酸化熟成由来のほろ苦さとドライな甘味を加え、アメリカンウイスキーを単調にせず複雑に仕上げます。


香りと味わいの詳細

公式テイスティングノートから読み解くと、このウイスキーは以下のように構成されています。

香り

  • トーストしたマシュマロ
  • トロピカルフルーツ
  • ウィンタースパイス
  • 砂糖漬けアーモンド

アメリカンウイスキーの甘み・バニラ感に、シェリー樽由来のナッツ香やフルーツ感が折り重なります。

味わい

  • ピリッとしたオレンジの皮
  • ドライフルーツ
  • バタースコッチ
  • グリルパイナップル

口当たりにはバーボン的な甘さをベースに、柑橘のビター感とドライフルーツの深み、焼いたパイナップルのような焦がし香が複雑に共存しています。

余韻

  • ほろ苦さと完璧さが調和
  • 非常に長く滑らか

オロロソ樽フィニッシュらしいドライでビターなニュアンスが、甘みを引き締めながら続きます。


スペック表

項目内容
名称Jacob’s Pardon “Cask Collective” 16 Year Oloroso Sherry Cask Finish
タイプアメリカンウイスキー
熟成年数16年
マッシュビルトウモロコシ99%、大麦麦芽1%
樽構成50年物オロロソ・シェリー樽フィニッシュ、48樽限定
アルコール度数48.25% ABV
容量750ml
希望小売価格124.99ドル(元の金額:約19,700円)
生産国アメリカ

実例:料理ペアリングの提案

このウイスキーは「トーストしたマシュマロ」「ドライフルーツ」「ウィンタースパイス」といった香味を持つため、以下の料理やデザートとの相性が抜群です。

  • ダークチョコレートのテリーヌ
  • ローストした鴨胸肉 オレンジソース
  • ドライフルーツとナッツを使ったタルト
  • 熟成チーズ(コンテ、マンチェゴ)

シェリー樽由来のドライさとナッツ感が、料理の脂や甘みをうまく調和させます。


読者への行動提案

もし、

  • 「アメリカンウイスキーの甘みと力強さ」
  • 「シェリー樽の複雑でビターな熟成感」

この両方を一度に楽しみたいなら、ぜひ試す価値があります。

販売本数はわずか48樽分という限定生産。興味があれば早めにチェックしましょう。


まとめ

ジェイコブス・パードン「カスク・コレクティブ」16年オロロソ・シェリーカスクフィニッシュは、アメリカンウイスキーの伝統と革新を両立した挑戦的な1本です。

長期熟成を高温気候で実現し、シェリー樽で調律することで、バーボン的甘みとオロロソ由来のビター&ドライな深みを見事に融合させています。

極めて限定的な生産数、50年物オロロソ樽の個性、そして16年の歳月が生み出した複雑さは、コレクターや愛好家にとって特別な体験になるでしょう。


記事の要約(箇条書き)

  • ジェイコブス・パードンが「カスク・コレクティブ」シリーズを発表
  • 第1弾は16年熟成のオロロソ・シェリーカスクフィニッシュ
  • 48樽限定、750mlボトル124.99ドル(元の金額:約19,700円)
  • トウモロコシ99%、大麦麦芽1%のマッシュビル
  • 50年物オロロソ・シェリー樽でフィニッシュし複雑な香味を実現
  • トーストマシュマロやドライフルーツなど多層的な香味
  • アメリカンウイスキーの新たな可能性を示す意欲作
  • 料理ペアリング例:ダークチョコ、鴨肉、ナッツタルトなど

ぜひ、次の一杯の候補に加えてみてください。

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この記事を書いた人

Yasui Youheiのアバター Yasui Youhei ウイスキープロフェッショナルの資格を持つシェフ

私は、ウイスキープロフェッショナルの資格を持つシェフです。ウイスキーの魅力を一人でも多くの人に広めたいと思い、ブログを開設しました。|TWSC審査員|ウイスキー文化研究所認定ウイスキーコニサー|調理師|1児のパパ

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