SWAカウンシル議長に初の女性 スコッチ業界の舵取り役が交代

  • URLをコピーしました!

スコッチウイスキー業界の中枢から、ひとつ節目になるニュースが出ています。スコッチ・ウイスキー・アソシエーション(SWA)のカウンシル議長に、リタ・グリーンウッド氏が就任しました。

SWA史上、初の女性議長。肩書きだけを見ると分かりやすい出来事ですが、もう少し距離を取って眺めると、業界の“今”がにじんで見えてきます。


目次

評議会という、実務の場

SWAカウンシルは、協会に加盟する蒸留所・企業から選ばれた16名で構成され、業界全体の方針や政策の方向性を形づくる場です。議長の任期は2年。今回で24代目になります。

ここは象徴的なポストというより、実務寄りの調整役に近い立ち位置です。輸出、規制、原産地保護、国際関係。派手さはありませんが、現場に与える影響は小さくありません。


リタ・グリーンウッドという人

グリーンウッド氏は、ウィリアム・グラント&サンズの取締役であり、現在はチーフ・インベストメント・オフィサーを務めています。取締役会には2017年から参加。

飲料業界でのキャリアは23年。ネスレを経てスピリッツ業界に入り、英国流通部門のマネージング・ディレクターなど、現場寄りの役職も経験してきました。

マスター・オブ・ザ・クエイヒ、蒸留業ギルドのリヴァリーマン、ドリンクス・トラストの元理事。肩書きは多いですが、どれも“業界の内側”に長く関わってきた人だと分かります。


「初の女性」という事実について

今回の人事でよく語られるのが、「SWA初の女性議長」という点です。

もちろん意味はあります。ただ、それ以上に感じるのは、投資・戦略・長期視点を持つ人物が、今このタイミングで選ばれた、ということです。

スコッチウイスキー業界は、世界的な需要変動、地政学リスク、コスト上昇など、いくつもの向かい風を同時に受けています。短期の拡大より、持続性や構造をどう保つか。そういう局面に見えます。


業界のコメントが示す温度感

SWAのマーク・ケントCEOは、グリーンウッド氏の商業戦略と実行力が、困難な時期を乗り越えるうえで重要になると述べています。

「2030年を強い状態で迎えるために」という言葉が出ているのも印象的です。目先の回復ではなく、数年単位での体力づくり。その意識が、コメント全体から伝わってきます。


少し引いて見ると

このニュースは、人事の話で終わらせることもできます。ただ、誰が選ばれたかを見ると、業界が何を優先しようとしているかが、うっすら見えてきます。

拡大より調整、攻めより持続。そんなキーワードが、静かに浮かぶ人事です。


まとめ

リタ・グリーンウッド氏の就任は、スコッチウイスキー業界が置かれている場面を、そのまま映した出来事のようにも感じます。

大きく変わるというより、足元を整える2年間。その間に、何が積み上がっていくのか。少し距離を取って、見ていきたいニュースです。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

Yasui Youheiのアバター Yasui Youhei ウイスキープロフェッショナルの資格を持つシェフ

私は、ウイスキープロフェッショナルの資格を持つシェフです。ウイスキーの魅力を一人でも多くの人に広めたいと思い、ブログを開設しました。|TWSC審査員|ウイスキー文化研究所認定ウイスキーコニサー|調理師|1児のパパ

コメント

コメントする

目次