スコッチウイスキー業界の名門、ロッホ・ローモンド・グループは、ダンバートンシャーのローモンド湖畔に位置するラス村にて、新たな蒸留所とビジターセンターの建設許可を取得し、着工を開始しました。
数百万ポンドを投じるこのプロジェクトは、同グループのウイスキーブランドの本拠地となるだけでなく、観光とウイスキー文化の発信拠点としても注目されています。
歴史ある地に誕生する新たな蒸留所

今回の開発計画では、アーガイル・アンド・ビュート議会およびラス・エステーツの許可のもと、ある旧燻製小屋とその周辺の土地を再利用し、新たな施設を建設します。
新しい場所はロッホ・ローモンド、リトルミル、グレン・スコシアを含むロッホ・ローモンドグループのウイスキーブランドの中心地となるだけでなく、ベン・ローモンド・ジンの蒸留所としても機能する予定。
敷地内には、ガイド付きツアー、ウイスキーやジンのテイスティングルーム、飲食スペース、小売スペースが設けられ、限定商品やプレステージ・エクスプレッションの販売も行われます。
ビジターはウイスキーの製造過程を間近で見学しながら、スコッチウイスキーの魅力をより深く体験できるでしょう。
ロッホ・ローモンド・グループCEOのコメント
ロッホ・ローモンド・グループの創設者兼CEOであり、スコッチ・ウイスキー協会(SWA)の理事でもあるコリン・マシューズ氏は、次のように語っています。
「新しい蒸溜所とビジター・エクスペリエンスへのこの大規模な投資は、ロッホ・ローモンド・グループにとって重要なマイルストーンとなります。現在、スコッチウイスキー業界は多くの課題に直面していますが、それでもこの投資を実現できたことは、地元コミュニティへの信頼と、スコットランドのスピリッツ産業の長期的な回復力を示すものです。」
さらに、マシューズ氏は英国政府に対し、ウイスキー産業を支援する「常識的なアプローチ」を求めました。
「英国政府による増税や不公平な規制がスコットランドの蒸留所の競争力を脅かしている中、産業の成長と雇用創出を支援する政策が必要不可欠です。」
と強調しています。
世界中のウイスキー愛好家を惹きつける新たな名所
ラス村に誕生する新施設は、単なる蒸留所ではなく、ウイスキー文化を体験できる総合施設として設計されています。
敷地面積5,362平方メートルの広大なスペースには、ウイスキーやジンの愛好家、観光客を惹きつける多彩なアクティビティが用意。
特に、蒸留所ツアーでは、ロッホ・ローモンドの伝統的な製法と革新的な技術を学びながら、実際の熟成環境を見学することができるでしょう。
また、ディスカバリーセンターでは、初心者から上級者まで楽しめる没入型のテイスティング体験が提供され、ウイスキーとジンの風味を探求できます。
さらに、プレミアムフードとドリンクの提供も予定されており、ウイスキーやジンとのペアリングを楽しめる空間も整備。
小売スペースでは、ロッホ・ローモンド、グレン・スコシア、リトルミル、ベン・ローモンド・ジンの全製品に加え、限定商品やユニークなエディションも販売される見込みです。
地域経済と観光産業への貢献
このプロジェクトは、単なるウイスキー生産の拠点としてだけでなく、地元経済の活性化にも大きく貢献すると期待されています。
新施設の開設により、多くの雇用が創出されるだけでなく、観光客の増加が地域全体の経済成長を促進する要因となるでしょう。
「この開発が完了すれば、ロッホ・ローモンドの美しい自然環境とスピリッツ産業の伝統を、世界中の観光客と共有することができます。地域社会を支援し、新たな雇用を生み出すことで、スコットランドのウイスキー業界の未来をさらに発展させることを目指します。」
とマシューズ氏は述べています。
まとめ

ロッホ・ローモンド・グループの新蒸留所とビジターセンターは、ウイスキー愛好家にとって新たな魅力的なスポットとなることは間違いありません。
世界的なスコッチウイスキーブランドの本拠地として、観光と産業の両面で大きなインパクトを与えるプロジェクトとなるでしょう。
完成後の施設は、スコットランドの豊かな蒸溜文化を世界に発信する場となり、ウイスキーのさらなる発展に貢献することが期待されています。

コメント