アイラ島の名門蒸留所ラフロイグが、アーカイブ・コレクションの第2弾として「ラフロイグ 38年 アーカイブ・コレクション」を発表しました。2023年にリリースされた36年熟成に続くこの限定ボトルは、ウイスキー愛好家にとってまさに“時の結晶”ともいえる貴重な1本です。
1985年という業界が低迷していた時代に蒸留されたこのウイスキーは、困難な時代を乗り越え、今日に至るまで熟成を重ねてきました。38年間という長い歳月が、ラフロイグの揺るぎない信念とクラフトマンシップを体現しています。
歴史的背景と熟成プロセス
逆境の中で蒸留された“タイムカプセル”
この38年もののラフロイグは、1980年代に多くの蒸留所が閉鎖・縮小に追い込まれた中、同蒸留所が改修を進めながらも蒸留を継続していた時代の原酒を使用しています。当時、新しい蒸留所設備の導入により、スチルやコンデンサーを室内に移す工事が進行しており、その過渡期に生まれた特別な原酒です。
今回のリリースでは、まずアメリカンオークのバーボン樽で熟成され、その後、セカンドフィルのオロロソシェリー樽、さらにヨーロピアンオークのオロロソシェリー樽で追加熟成されました。2023年にボトリングされ、アルコール度数41.3%のカスクストレングスで瓶詰めされています。
スペック表
項目 | 内容 |
---|---|
商品名 | ラフロイグ 38年 アーカイブ・コレクション |
蒸留年 | 1985年 |
熟成年数 | 38年 |
熟成樽 | バーボン樽→セカンドフィル・オロロソシェリー樽→ヨーロピアンオーク・オロロソ樽 |
アルコール度数 | 41.3%(カスクストレングス) |
ボトリング年 | 2023年 |
限定本数 | 世界限定400本 |
希望小売価格 | 4,100ポンド(元の金額:約83万円) |
容器 | 手吹きガラス製、海ガラス風ネック装飾付き |
販売場所 | ラフロイグ蒸留所、厳選小売店(MoM、Whisky Exchangeなど) |
テイスティングノート
この長期熟成ラフロイグは、味わい・香りともに複層的で奥深く、真のハウススタイルの進化形といえる仕上がりです。
- 香り:ドライフルーツ、レーズン、デーツ、キャラメリゼオレンジピール、チェリーブロッサム、タバコの葉
- 味わい:ドライアプリコット、塩キャラメル、クリスタライズドジンジャー、クローブ、アニス、スモークサバ、ペッパー
- 質感:滑らかでオイリー、フィニッシュに心地よいスモークとスパイス
これほどまでに長く熟成されたラフロイグは非常に稀で、時代を映す香味として、唯一無二の体験を提供します。
関係者のコメントと今後の展望
サントリー・グローバルスピリッツのプライベート・クライアント・ディレクターであるダリル・ハルデン氏は、「このウイスキーは、当社の歴史と献身の証であり、ラフロイグの物語を味わう機会」と語ります。また、マスターブレンダーのカラム・フレイザー氏は「過去の物語を語るこのボトルは、忘れられない体験をもたらす」とコメント。
このリリースは、同蒸留所のエレメンツシリーズやFèis Ìleの限定品「Lore Cask Strength」と並び、ブランドの高度な熟成技術と探究心を象徴するプロジェクトとなっています。
まとめ
ラフロイグ アーカイブ・コレクション 38年は、ウイスキー愛好家やコレクターにとって、ブランドの伝統と熟成の粋を極めた逸品です。蒸留所の転換点ともいえる時代を背景に、類まれなる熟成と香味が融合されたこのボトルは、まさに歴史と情熱の詰まった一本といえるでしょう。
記事まとめ
- ラフロイグが38年熟成のシングルモルトを発売
- 1985年蒸留、3種の樽で熟成、2023年に瓶詰め
- 世界400本限定、価格は4,100ポンド(元の金額:約83万円)
- ドライフルーツやスモーキーな香味が複雑に交差
- 「フレンズ・オブ・ラフロイグ」会員の投票で発売が決定
- ラフロイグの技術と歴史を体現するプレミアムな1本
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