長濱から、少し静かなニュースが届きました。ウイスキー樽で長期熟成させた限定ビール『Barrel Aged Wee Heavy』が、1月27日から数量限定で出荷されます。
ビールの新作、というよりも、ビールとウイスキーの間にある時間をどう使うか、という話に近い印象です。
樽があるから、できること
長浜浪漫ビールがこの手法を続けている背景には、同じ場所でウイスキー造りをしている、という事情があります。ウイスキーを熟成させた後の樽を、そのまま次の表現に使える。
今回で3作目となるバレルエイジドビールですが、実験というより「部門をまたいだ延長線」に見えます。無理に新しさを狙うのではなく、手元にある樽と時間を、どう活かすか。その発想が素直です。
Wee Heavyという土台

ベースになっているのは、スコットランド由来のストロング・エール「Wee Heavy」。
モルトの甘さとコクを前面に出した、いわば“腰を据えて飲む”スタイルです。長時間煮沸によるキャラメル感、トフィーやドライフルーツのニュアンス。ホップは控えめで、喉越しよりも余韻を楽しむ設計。
ここに、長濱蒸溜所のバーボンバレルで1年間の熟成が加わります。アルコール度数は10%。数字だけ見ると強めですが、温度を上げていくと、角が取れてくるタイプに感じます。
料理人はここを見る
面白いのは、ビールなのに“温度”が前提になっている点です。12〜15℃くらいで香りが開く設計は、ウイスキー的でもあります。
冷やしてキレを出すより、少し緩めて、甘さと樽香を立たせる。そのほうが、このビールの輪郭は分かりやすい。
料理なら、煮込みや脂のある肉、あるいはカカオ感の強いデザート。合わせるというより、同じ速度で並べる感覚が合いそうです。
家・週末・店での向き合い方
家で:食後に少量。ビールというより、デザートワイン寄りの気持ちで。
週末に:グラスを変えて、温度変化を追う。時間を使う飲み方が向いています。
店で:〆の1杯として。ビールとウイスキーの境界を説明しすぎないほうが、伝わりやすい場面です。
まとめ
『Barrel Aged Wee Heavy』は、派手さを競う限定品ではありません。
樽と時間がある場所だからこそ生まれた、自然な派生形。その延長線を、どう楽しむかは飲み手次第です。冬の夜に、少しゆっくりしたいとき。そんな場面が思い浮かびます。



コメント