表参道で、少し静かなウイスキーのイベントが開かれます。
銘柄を並べて飲み比べる、というよりも、「一口目」に集中するための時間を用意した場、という印象です。
2026年2月6日から8日まで開催される『The First Sip ~はじまりの、ひとくち。~』は、グレンドロナックとして国内初となる一般向けイベント。
場所はHouse of OMOTESANDO。安藤忠雄建築らしい、余白のある空間です。
樽の中を歩く、という発想

このイベントの中心は、シアター型のインスタレーションです。
光や音、映像を使って「シェリー樽熟成の時間」を追体験する構成になっています。
説明を読む限り、知識を与える展示というよりも、
自分が原酒になったような感覚で、樽の中を過ごす──そんな演出に重きを置いているように見えます。
熟成は、頭で理解するより、時間の重さとして感じた方が分かりやすい場面があります。
その入口をつくろうとしている設計なのかもしれません。
「飲む前」が、いちばん長い

シアター体験のクライマックスで提供されるのが、グレンドロナック12年。
体験を経てから、静かな空間で一口目を迎える流れです。
ここで面白いのは、
飲む行為そのものより、飲む前の時間をしっかり取っているところ。
ウイスキーは、グラスに注がれてからよりも、
口に入る直前の期待値で印象が決まることがあります。
このイベントは、その助走を丁寧につくっているように感じます。
料理人は、ここを見る

個人的に気になるのは、ラウンジエリアの扱いです。
12年・15年・18年を、ストレートだけでなく、ハイボールやカクテルでも提供する構成。
ここでようやく「日常側の飲み方」が出てきます。
シアターで集中し、
ラウンジで少し力を抜く。
この切り替えがあることで、
シェリー樽熟成の重さが、日常の中にどう落ちるかを確認できる場になりそうです。
料理を合わせるなら
正解を出す場ではないですが、
こういう設計なら、
- 家なら:ドライフルーツやナッツを少し
- 週末なら:レバーやカカオ感のある料理
- 店なら:ソースに甘味と酸味を持たせた一皿
このくらいの距離感が、ちょうどよさそうです。
まとめ
派手なフェスでも、勉強会でもない。
「最初の一口」に、ちゃんと時間を使う場。
グレンドロナックという銘柄を知っている人ほど、
逆に何も考えずに入ってみてもいいイベントかもしれません。
一口目が、少し変わって感じられたら。
それで十分な気もします。



コメント