2026年2月、「ザ・グレンリベット 56年」が日本で発売されます。
エターナルコレクション第2弾。世界60本、日本は4本のみという数字がまず目に入ります。
ただ、このニュースは本数や価格よりも、「どういう見せ方を選んだか」に目が向きます。
56年という時間は、それ自体が強いメッセージです。
その時間を、ボトルと空間ごと提示する、という姿勢がはっきりしています。
エターナルコレクションという考え方

エターナルコレクションは、単なる長期熟成シリーズではありません。
年を重ねるごとに熟成年数を更新し、その都度、異なる分野のクリエイターと組む。
ウイスキーを“飲み物”としてだけでなく、“時間の結晶”として扱うシリーズです。
今回選ばれたのは、デザインスタジオ「フレドリクソン・スタラード」。
彫刻はデカンタの台座でありながら、それ自体が作品として成立しています。
液体を守る器というより、56年を可視化するための装置、そんな印象です。
料理人はここを見る
56年熟成、と聞くと圧倒されます。
説明文を追っていくと香味の描写は意外と具体的で、日常的な果実や菓子の言葉が並びます。
赤リンゴ、煮込んだプラム、トフィー、ナッツ。極端に抽象化されていない。
この点に、ザ・グレンリベットらしさを感じます。長い時間を経ても、飲み手の感覚に着地させようとしている。
特注シェリー樽という裏側

この56年熟成には、特注のシェリー樽が使われています。オロロソ、ペドロ・ヒメネス、パロ・コルタドを組み合わせたシーズニング。
派手さというより、熟成後半のバランスを整えるための選択に見えます。50年以上の時間を預けるには、樽の個性を誇張しすぎないことも重要だったはずです。
飲む、というより眺める時間
価格は参考小売で約946万円。現実的に“飲むかどうか”を考えるボトルではありません。
ですが、こうした存在が市場に出ることで、「ウイスキーはどこまで時間を引き受けられるのか」という問いが、静かに共有されます。
まとめ
「ザ・グレンリベット 56年」は、希少性を競うニュースというより、時間の扱い方を提示するニュースに見えます。
56年という数字を、味だけでなく、形や空間にまで落とし込む。その姿勢をどう受け取るか。
それぞれの距離感で眺める余地が、ちゃんと残された一本です。



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