閉鎖蒸留所5種を一箱で眺める、GMコニサーズチョイスの特別コレクション

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ゴードン&マクファイルの名前を聞いて、まず思い浮かぶのは「古い原酒」と「時間の重み」かもしれません。今回、日本で案内が始まった「コニサーズチョイス ヘリテージコレクション Volume 1」は、そのイメージをそのまま形にしたようなセットです。

世界限定100セット。そのうち日本に割り当てられたのは、わずか3セット。内容はすべて、1980〜90年代に一度閉鎖された蒸留所の長期熟成原酒5本。価格も含め、簡単に手を伸ばすものではありませんが、だからこそ「どういう存在か」を落ち着いて眺めたくなるコレクションです。

目次

マップラベルが示すもの

今回復刻されたのは、通称「マップラベル」と呼ばれるコニサーズチョイスの旧デザイン。クリーム色のラベルに描かれたスコットランドの地図は、原酒の産地そのものを示しています。

1988年から90年代半ばにかけて使われていたこのデザインは、装飾というより、ウイスキーの背景を伝えるための情報でした。約30年を経ての復刻は、懐かしさ以上に「どこから来た酒なのか」を改めて意識させるものに見えます。

料理人は、ここを見る

収められている5本は、ダラスデュー、ベンロマック、グレンロッキー、ポートエレン、ローズバンク。いずれも閉鎖を経験した蒸留所です。

面白いのは、それぞれが“伝説”として一括りにされがちな一方で、熟成年数も樽構成もばらばらな点です。リフィル樽が多く使われているのも、原酒そのものを見せたい意図が感じられます。

これは「全部すごい」というより、「時代の違う個性を並べて比べる箱」と考えたほうが、しっくりきます。

飲むためか、残すため

正直に言えば、このセットは飲む前提で語られることが少ない部類でしょう。ですが、全く飲まれない前提のコレクションとも言い切れません。

例えば、5本を一度に開ける必要はありません。10年、20年という時間軸で、節目に1本ずつ向き合う。そういう使い方も想像できます。料理で言えば、特別な食材を冷凍庫に入れておく感覚に近いかもしれません。

慌てて評価しなくていい

価格や本数だけを見ると、どうしても特別感が前に出ます。ただ、このコレクションの価値は「希少だから」だけでは語りきれません。

ゴードン&マクファイルが長年続けてきた、“まだ見ぬシングルモルトを紹介する”という姿勢。その原点を、箱ごと眺めるためのセット、とも言えそうです。

なお、ゴードン&マクファイルのような存在が担ってきたボトラーズウイスキーの立ち位置については、別の記事で整理しています。

まとめに代えて

コニサーズチョイス ヘリテージコレクション Volume 1は、今のウイスキー市場の熱気とは、少し距離のある存在です。

急いで手に入れる話ではなく、こういう酒がまだ出てくる、という事実を静かに受け止める。そのくらいの向き合い方が、ちょうどいいコレクションに見えます。

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この記事を書いた人

Yasui Youheiのアバター Yasui Youhei ウイスキープロフェッショナルの資格を持つシェフ

私は、ウイスキープロフェッショナルの資格を持つシェフです。ウイスキーの魅力を一人でも多くの人に広めたいと思い、ブログを開設しました。|TWSC審査員|ウイスキー文化研究所認定ウイスキーコニサー|調理師|1児のパパ

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