ハイランドの蒸留所グレンカダムが、ブランドパッケージの刷新とともに、新作「17年 レゼルヴ・ド・カルヴァドス」を発表しました。
200周年の節目、ビジターセンターの開設。その流れの中で行われた今回のアップデートは、単なる外観変更というより、蒸留所の現在地を示す動きに見えます。
“再発明”ではなく“進化”
新パッケージは、10年、15年、レゼルヴPX、そして新作17年で先行採用。水車のモチーフや「EST 1825」の刻印など、これまでの象徴は残しながら、全体の印象を整えています。
蒸留所側はこれを「進化」と表現しています。 伝統的な製法やハウススタイルは変えない。 変えるのは、その伝え方。
いま多くの蒸留所がデザインを見直す中で、グレンカダムもまた、200年という時間をどう見せるかを選び直している場面と言えそうです。
カルヴァドス樽という新しい選択

同時にリリースされる17年熟成は、ブランド初となるカルヴァドス樽フィニッシュ。
アメリカンオークのバーボン樽で熟成後、フランス・ノルマンディー産カルヴァドス樽で後熟。アルコール度数は46%、ナチュラルカラー、ノンチルフィルター。6,360本の限定ボトリングです。
焼きリンゴ、ヒースハニー、バニラスポンジ。 味わいにはアップルシュトルーデル、バタースコッチ、ダークチョコレート。
カルヴァドス樽らしい果樹園のニュアンスが、もともとフルーティーなグレンカダムの酒質に重なる設計に見えます。
シェリーやポートではなく、リンゴのブランデー。 その選択は、少し柔らかい方向への広がりにも感じます。
料理人として見える景色
この17年は、強く主張するタイプではなさそうです。
リンゴやバター、ほのかなスパイス。 家ならアップルパイやナッツタルトと。 バーなら、甘すぎない焼き菓子と並べると落ち着きそうです。
食後の時間をゆっくり伸ばす一本。 そんな立ち位置に収まりそうな印象を受けます。
まとめに代えて
パッケージを整え、新しい樽を試す。 どちらも、蒸留所が次の景色を探る動きです。
200年という時間の上に立ちながら、少しだけ方向を広げる。 今回の発表は、その途中経過のようにも見えます。
デザインの変化と、リンゴの香り。 グラスに注いだとき、その二つがどう重なるのか。 まずは静かに確かめてみたいところです。



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