【ウイスキー用語】「ノンピート」　～スモーキーフレーバーのないウイスキーの魅力について～

スコッチウイスキーは、スモーキーなフレーバーが特徴。

このように語られることがありますが、実はスコッチウイスキー全体の生産量でみるとスモーキーなタイプのウイスキーは少数派です。

スコッチウイスキーには、スモーキーでクセの強いタイプのウイスキーもありますが、近年の大半は「ノンピート」と呼べると呼ばれるピートを使わないタイプが多くなっています。

今回は「ノンピート」について解説しつつ、スモーキーフレーバーのないウイスキーの魅了についてまとめました。

「ノンピート」とは？？

「ノンピート」とは、ピートを焚いていない製法で造られたウイスキーのことです。

スコッチウイスキーでは、伝統的にウイスキー造りに「ピート」が使われてきました。

ピートは石炭となる前段階の泥で、乾燥させることで燃やすことができます。

木材の乏しいスコットランドやアイルランドなどの北欧では、古来よりピートが一般燃料でした。

ウイスキー造りでは、大麦を発芽させてからピートを焚いた熱で乾燥させており、その時にスモーキーなフレーバーが付与されています。

ところがこのピートの煙はクセが強く、「ヨード臭（薬品臭）」や「薫香」が一般受けしにくくスコッチウイスキーはコアなファンが楽しむお酒でした。

ピートを焚かずにウイスキーを作ることで、樽香やフルーティさなどのフレーバーが感じやすく、薫香のクセがない味わいに仕上がります。

ノンピートの方が一般受けしやすく、スコッチが世界的に飲まれるお酒となっていった過程で、「ノンピート」の方が多く生産されるようになったのです。

「ノンピート」ウイスキーの魅力

ノンピートの魅力は、ウイスキーの香り・味わいがわかりやすいことです。

ウイスキーは、スモーキーフレーバー以外にも多彩な香り成分が含まれています。

例えばバニラ香やはちみつ、ウッディさなど樽由来の香りや原酒が持っているフルーティでフローラルな香りが感じやすいです。

ウイスキーに飲みなれていなくても、樽香やフルーティさを存分に堪能することができるでしょう。

ノンピートはライトな酒質！？

一概にノンピート＝ライトな酒質というわけではありませんが、ノンピートのウイスキーにはライトなテイストのウイスキーが多くなっています。

反対にピートを効かせたスモーキーなウイスキーは、ヘビーな酒質が多いです。

その理由は、薫香の成分と蒸留の性質にあります。

蒸留して最初に得られるスピリッツから後寄りになるにつれて徐々に味わい・度数・香りが変化。

蒸留最初の方はフルーティでライトな酒質で、後寄りになるとオイリーでヘビーな酒質となる傾向があります。

蒸留所は好みの酒質とするために「ミドルカット（前後を切り落とす作業）」を行うのですが、ピートのスモーキーフレーバーを活かすには後寄りにカットする必要があるそうです。

そのためピート対応のウイスキーはヘビーな酒質となりやすくなります。

反対にノンピートはピートの香りがなく後寄りにカットしなくてもよいためで、飲みやすいライトな酒質のウイスキーを作ることができるのです。

おすすめの「ノンピート」スコッチシングルモルト

それでは、僕がおすすめしたい「ノンピート」のウイスキーをご紹介していこうと思います！！

グレングラント　アルボラリス

ブルックラディ　クラシックラディ

オルトモア　12年