ピートとは?ウイスキーの香りと強さを徹底解説

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ピートはウイスキーの個性を決める重要な要素のひとつです。

ところが、初めてピート香を体験した人の中には「これは何?」「どんなウイスキーがあるの?」と疑問を持つ方も多いでしょう。

本記事では、ピートの成分や役割、香りの特徴、強さを示す指標(ppm)を詳しく解説。

さらに、おすすめのピートウイスキーや、ピートが苦手な方に向けた選び方まで紹介します。

目次

ピートとは何か

ピートの成分と役割

ピートは、湿地帯で植物が長期間にわたり堆積し、炭化した泥炭のことで石炭の一種です。

シダやコケ類、ヘザーなどが分解されずに蓄積され、数千年をかけて形成されます。

スコットランドやアイルランドなどでは豊富にピートがあることから、古くから一般燃料として使われてきました。

ピートをウイスキー造りに使用することで、独特のスモーキーな香りを付与することができます。

その独特なスモーキーフレーバーが、ウイスキーに欠かすことのできない香りであり、多くのファンを虜にしていると言っても過言ではないでしょう。

ピートの香りと味わいについて

ピートは麦芽を乾燥させるときに使用されますが、その麦芽で造られたウイスキーはスモーキーな香りと深い味わいが特徴です。

焚火のような香ばしさや消毒液・ヨード、海藻、葉巻を思わせるニュアンスを持ち、ウイスキーに複雑な風味をもたらします。

ピートの産地や採取場所の違いによって、香りや味わいにも微妙な違いがあることも特徴。

微妙な違いが生み出す奥深さこそウイスキー愛好家に要因と言えるでしょう。

ウイスキーにおけるピートの重要性

ピートの使用方法

ウイスキー製造において、発芽させた大麦(麦芽)を乾燥させるときにピートを焚きます

ピートによって発生する煙が麦芽に吸着。

この時にウイスキーに特有の香りが付与されるのです。

ピートが与える影響

ピートの使用は、ウイスキーの風味に大きな影響を与えます。

スモーキーな香りや、土っぽさ、海藻のようなニュアンス、ヨードチンキのような薬品臭などが、ピート由来の代表的なフレーバーです。

特有のクセのある香りがウイスキーに深みをもたらします。

また、ピートの使用量や焚く時間、産地によっても香りや味わいが変化するため、各蒸溜所や銘柄ごとに個性があり、よりファンを虜にする要因と言えるでしょう。

ウイスキーのピート強度を知る

ピートの強さを示すフェノール値(ppm)とは

ピートの香りの強さは、フェノール値(ppm)という単位で表されます。この数値が高いほど、スモーキーな香りが強いとされています。

一般的に、10ppm未満のウイスキーは「ライトピート」と呼ばれ、穏やかなスモーキーフレーバーが特徴です。

25ppm程度で中程度、40~50ppm以上で「ヘビーピート」と呼ばれ、強いスモーキーさを持つウイスキーになる傾向があります。

ピートの強いウイスキーの特徴

ピートの強いウイスキーは、強烈なスモーキーさとともに、薬品のようなヨード香や、燻製のような香ばしさが特徴です。

これらのウイスキーは、個性的で深い味わいを持ち、ウイスキー愛好者の中でも特に人気があります。

特にアイラ島のシングルモルトは、ヘビーピートでクセの強い銘柄が多く、カルト的な人気を誇る銘柄が多いです。

おすすめのピートウイスキー

ジャパニーズウイスキーのピート

日本のウイスキーにも、ピートを使用した銘柄があります。

例えば、ニッカウヰスキーの「余市」は、ピートを使用したスモーキーな香りが特徴です。

また、サントリーの「白州」も、ピートを使用したバランスの良いスモーキーさを持つウイスキーとして知られています。

最近では、若鶴酒造が「三郎丸」シリーズにヘビリーピーデッドタイプがリリースされ、スモーキーハイボール缶も発売。

静岡や厚岸、アマハガン、イチローズモルトをはじめ、ジャパニーズクラフトディスティラリーがピートタイプのウイスキーを作っています。

アイラウイスキーのピート特性

スコットランドのアイラ島で生産されるアイラウイスキーは、強烈なピート香が特徴です。

代表的な銘柄として、「アードベッグ」や「ラフロイグ」、「ラガヴーリン」などが挙げられます。

この3銘柄は、フェノール値が高く、強いスモーキーさと複雑な味わいが魅力です。

また、毎年限定リリースされる「オクトモア」は、アードベッグやラフロイグの2倍以上のフェノール値(100ppm以上)の最強ピーデッドウイスキーとして有名。

スモーキーなウイスキーがお好きな方から人気の高い銘柄となっています。

ラフロイグ 10年

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド
アルコール度数40%
バーボン樽メイン
熟成年数10年

「アイラモルトの王様」と言われるシングルモルトブランド”ラフロイグ”。

同蒸留所のフラグシップボトルが「ラフロイグ10年」です。

「LOVE or HATE(好きか嫌いか)」とのキャッチコピーを掲げるほど、クセの強いスモーキーさ。

ヨード臭の強い薫香にバナナのような甘いフレーバーに長い余韻が特長です。

アードベッグ 10年

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド・アイラ島
アルコール度数46%
アメリカンオーク(バーボン樽)
(1stフィル & 2ndフィル)
熟成年数10年

カルト的な人気を誇るアードベッグ蒸留所のフラグシップボトル。

バーボン樽で10年以上熟成された原酒を使用し、ノンチルフィルタード(冷却ろ過をしていない)・アルコール度数46%でボトリングされています。

アイラモルトらしい強烈なスモーキーフレーバーとトロピカルフルーツのような香り、繊細な甘みが特徴です。

2008年にはワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

ビックピート

ジャンルブレンデッドモルト
生産国スコットランド
アルコール度数46%
熟成年数

アイラ島の個性を詰め込んだブレンデッドモルト、ビッグピート

アイラ島のシングルモルト・スコッチウイスキーのみをマリアージュして作られたブレンデッドモルトウイスキー。

ダグラスレイン社のブレンデッドモルト・シリーズのひとつとして、スコットランドのモルトウイスキー産地を代表する存在です。

  • 甘さをもたらすカリラ
  • 完璧なバランスを誇るボウモア
  • 薬草のような個性を持つアードベッグ
  • エレガントさを感じさせる幻のポートエレン

など

アイラ島の個性豊かな蒸留所のウイスキーが絶妙に調和しています。

アイラモルトならではの力強さと複雑さが楽しめる、ウイスキー愛好家必見の逸品です。

タリスカー 10年

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド・アイランズ
アルコール度数40%
熟成年数10年

「ジキルとハイド」や「宝島」の著者であるR.L.スティーブンソンが「酒の王様」と絶賛したタリスカーの代表銘柄。

同蒸留所はジョニーウォーカーの原酒として重宝されており、1988年にクラシックモルトシリーズの一つとしてシングルモルト「10年」がリリース。

以降、人気銘柄の一つとなっています。

ソルティでスパイシーなフレーバーにリッチな余韻が特長です。

アードモア レガシー

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド・ハイランド
アルコール度数40%
1stフィルのバーボン樽がメイン
熟成年数

ティーチャーズ ハイランドクリームのモルトウイスキー原酒を安定供給するために作られたアードモア蒸留所

そのシングルモルトのオフィシャル定番ボトルが「アードモア レガシー」です。

焚火のようなスモーキーな香りとシトラスに軽快な口当たりが特徴

ハイボールにするとクセのないスモーキーさとスムースな味わいがお楽しみいただけます。

マクリームーア カスクストレングス

ジャンルシングルモルト
生産国スコットランド・アラン島
アルコール度数56.2%
熟成年数

「アラン蒸溜所のピーテッドスタイル、マクリームーア」

アラン蒸溜所(ロックランザ)で造られる、フェノール値20ppmのピーテッド麦芽を使用したシングルモルトウイスキー。

マクリームーアは、アラン島西海岸に広がるピート湿原の名称に由来し、伝説の巨人戦士フィンガルとその愛犬ブランの物語が残る神秘的な地です。

カスクストレングスタイプの本作は、アランのピーテッドスタイルをよりダイレクトに感じられる一本

シトラスやパイナップルのフルーティーな香りに、オイリーな口当たりにリンゴやパイナップル、トーストしたブリオッシュ、レッドベリーのフレーバー、バニラやココナッツのような長い余韻が広がります。

ピートのないウイスキーとその味わい

ノンピートウイスキーの特徴

ピートを使用しないウイスキー(ノンピートウイスキー)は、スモーキーさがなく、麦芽本来の甘みや果実のようなフルーティーな香りが際立つのが特徴です。

ピートが加わらないことで、クリーンで滑らかな味わいになり、初心者でも飲みやすいウイスキーが多い傾向にあります。

代表的なノンピートウイスキーには、グレンリベットやグレンフィディックなどのスペイサイド産のスコッチウイスキーなどがあります。

ピートのスモーキーさが苦手な方にはノンピートのウイスキーがおすすめです。

ノンピートの解説やおすすめのウイスキー銘柄については下記の関連記事をご参照ください。

まとめ

ピートを楽しむためのポイント

ピートの効いたウイスキーを楽しむためには、少しずつ慣れていくのがポイントです。

  1. 軽めのピートウイスキーから試す(例:タリスカー10年)
  2. ストレートで少量ずつ味わう
  3. 加水やハイボールで飲みやすく調整する

今後のウイスキー選びの参考に

ピートの有無やその強さは、ウイスキーの味わいを大きく左右します。自分の好みに合ったウイスキーを見つけるために、

  • ピートの強さ(ppm)を意識して選ぶ
  • 産地ごとの特徴を理解する
  • 試飲やハーフボトルでさまざまなウイスキーを試す

ピートの魅力を知ることで、ウイスキーの世界はさらに広がります。

ぜひ、さまざまなウイスキーを試しながら、自分好みの一杯を見つけてみてください。

よくある質問

ウイスキーのピートが持つスモーキーな香りはどのように生まれるのか?

ピートを燃焼させた際に発生する煙が麦芽に染み込むことで、ウイスキーにスモーキーな香りが付与されます。特にアイラウイスキーのように海藻や塩分を多く含むピートを使用する場合、出来上がるウイスキーはヨードのような独特の香りが特徴。

ウイスキーのピートの強さによる風味の違いはどのようなものがあるのか?

ピートが強いほど、スモーキーさや薬品のようなヨード香が際立ちます。一方で、軽めのピートは、草木の甘さやほのかなスモーク感を伴い、穏やかな風味になります。

ピートが苦手な場合、どのようなウイスキーを選ぶべきなのか?

ピートが苦手な方には、ノンピートウイスキーがおすすめです。例えば、「グレンリベット 12年」や「グレンフィディック12年」はフルーティーで滑らかな味わいを楽しめます。

ウイスキーのピート香ランキングでは、どの銘柄が最強とされているのか?

世界最強のピート香を持つウイスキーとして、「オクトモア」シリーズ(100ppm以上)が有名です。また、「アードベッグ ウーガダール」や「ラフロイグ 10年」も非常にスモーキーな銘柄として人気です。

ウイスキーのピートとスモーキーの違いは何ですか?

スモーキーとは煙っぽさを指し、ピートとは泥炭を燃やした際に発生する香りのことです。つまり、スモーキーなウイスキーはピートだけでなく、熟成樽の影響によるものも含まれます。

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