本日は『余市 シェリー&スイート』のテイスティングレビューです。
『余市 シェリー&スイート』について
余市シェリー&スイートは、余市蒸留所限定のボトルで「シングルモルト 余市」の味わいを構成する原酒に着目したシリーズとなっています。
すべてアルコール度数55%のカスクストレングスでボトリングされており、過去には12年物もありました。
ところが、原酒不足となってしまったため、現在はノンエイジボトルのみとなっています。
他に同シリーズは……
があります。
余市 シェリー&スイートは、その名の通りシェリー樽で熟成された原酒を使った一本。
世界唯一となった余市蒸留所の石炭直火蒸留で作られた力強いニューポット。
シェリー樽熟成によってスイートかつ上品に表現されています。
「シングルモルト 余市」を飲んでいて、そこまで強いシェリー樽のニュアンスを感じたことがないので、多分シェリー&スイートの構成としてはアクセントや奥深さを与える要因だと思います。
そのため、単体の味わいは個性的な味わいとなっているのではないでしょうか。
それでは、僕なりにそれそれの飲み方を試しつつ、テイスティングレビューしていこうと思います。
『余市 シェリー&スイート』レビュー
アルコール度数 | 55% |
---|---|
年数 | ノンエイジ(NA) |
ボトル容量 | 180ml、500ml |
価格帯 | 180ml 2500円、500ml 6800円(蒸留所での価格) |
おすすめ度 | 90/100 |
色
アンバー。シェリー樽のニュアンスがしっかりと出た濃い目の赤褐色。
アロマ
レーズンと紅茶、いちご、ベリー、茹でたキャベツ、ゴム、ダークチョコレート。
フルーティで甘い印象を感じますが、シェリー樽の特徴でもあるサルファな香りもしっかりと感じます。
コメント
ストレート
ザ・シェリー樽ウイスキーといった印象。
ベリー系のフルーティさに紅茶のような渋み。
やや酸味があるが、しっかりとした熟成感と樽香を感じます。
硫黄系のサルファなフレーバーが主張。
ややいちごのような印象はあるもののスイートはそこまで強く感じないかもしれません。
余韻は長く、茹でたキャベツや硝煙のような硫黄系フレーバーとフルーティさが共存しています。
王道というべきシェリー樽のウイスキーで、正直好みがわかれるかも。ちなみに私はたまに飲みたくなる。
トワイスアップ
硫黄系のアロマが強くなった印象。
その奥にレーズンと紅茶、いちごジャムとフリーズドライのフランボワーズ。
口当たりは軽くなり、フルーティなフレーバーと甘みは感じやすくなりました。
冷凍したいちごとブルーベリーのフルーティさにアンティーク家具のような木の香り。
そして、渋みとビターチョコのような苦味。
硫黄系のゆで卵臭やゴム感は否めないですが、シェリー樽のウイスキーの特徴が表現されていると思います。
トワイスアップでもしっかりとしたシェリー樽感。たまに飲みたくなりますね。
ロック
クランベリーとレーズン、紅茶と駄菓子のグレープ味のような香り。
ベリー系のフルーティさと酸味。
テクスチャーはややトロッとした印象で、フレーバー・味わいともに口内に残ります。
アフターにゴム臭と渋みにエステリーな華やかさを感じます。
余韻は長く、ゆっくりと楽しめる一杯ではないでしょうか。
好みがわかれると思います。
かなりマニアックな味わいですね……。
ハイボール
シェリー由来のレーズンとゆで卵のような硫黄系のアロマ。
ゴム臭に近い印象も受けますが、シェリー樽らしさが出ている気がします。
レーズンとクリーム、プラムと紅茶とゴムのフレーバー。
複雑でこれでもかというほどシェリー樽の印象を感じますが、甘み主体に意外とバランスがいいです。
玄人向けの印象も受けですが、レーズンとチェリーの奥深さは一度味わってみると面白いでしょう。
余韻は長く、フルーティで奥深いですが、ゴム系のあと香が気になってしまいます。
硫黄系フレーバーが最後まで気になってしまいます。。
水割り
チェリーとレーズン、ややゴム系の硫黄っぽいアロマ。
口当たりが優しく、チェリー系のフルーティで甘い印象が強いですが、やはり硫黄家のフレーバーもやや強めに感じてしまうでしょう。
シェリー樽らしさが出ているものの、樽のコンディションが良かったシェリー樽の印象に比べるとやや雑な印象も受けてしまいます。
フルーティで甘い印象もありますが、最後まで硫黄香が感じられてしまう点が、玄人向けだと思います。
フレーバーが大人。だからこそ一般受けはしなさそうな水割りです。
お湯割り
チョコのニュアンスがは強く感じますが、硫黄系のゴム臭も強く感じてしまいます。
飲んでみると、いちご、レーズン、クランベリー、チェリーのシロップ漬け、ほのかに焼き菓子といったフレーバーがゴムや茹でたキャベツ、固ゆでの卵の黄身のような硫黄系フレーバーに包まれています。
アフターは甘みが広がり、余韻も長いですが、硫黄系フレーバーが強く感じてしまう点がイマイチ。
これはマニアックな味わい。慣れればおいしく感じるのかな……。
飲み方別おすすめ度
飲み方 | おすすめ度 |
---|---|
ストレート | 4.5 |
トワイスアップ | 3 |
ロック | 2 |
ハイボール | 3 |
水割り | 3 |
お湯割り | 3 |
最後に……
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回のお話いかがだったでしょうか??
今回の余市シェリー&スイートは、構成原酒シリーズの中でも特に玄人向けな味わいだと思いました。
個人的にはいい意味で、シェリー樽の特徴がこれでもかと表現されているウイスキーだと感じます。
ところが、スイートさはどちらかというと「ウッディ&バニラ」の方が甘い印象を感じたような……。
ウッディ&バニラの比率高めで、ピート&ソルティで個性を演出。
そしてシェリー&スイートで奥深さのアクセントに加えて、「シングルモルト 余市」は出来上がっているのかなと推測しています。
自分で、ブレンドしてシングルモルト余市の味に近づけるのも面白いかもしれませんね!
コメント
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