個性的かつ希少なシングルカスクを世界中の愛好家に届ける「ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ(SMWS)」。
その日本支部より、新たな限定ボトルがリリースされました。
今回のウイスキーは、クラフトブルワリー「ウェイステッド・ディグリーズ(Wasted Degrees)」との長年にわたるコラボレーションによって誕生した、まさに革新と伝統が融合した1本です。
その特異な製造背景や味わいに迫ります。
SMWSとは?
ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティ(SMWS)は、1983年に設立された会員制のウイスキー専門団体で、厳選されたシングルカスク・シングルモルトのみをボトリングして提供することで知られています。
その特徴は、蒸留所名を公開せず、独自の番号(コード)とユニークな名称、そして物語性に富んだテイスティングノートで構成される独自のスタイルにあります。
詳しくはこちら:スコッチモルトウイスキーソサエティとは?
今回の限定ボトルの背景
このウイスキーの最大の特徴は、その熟成工程にあります。スコットランド・パースシャーにあるクラフトブルワリー「Wasted Degrees」とのコラボレーションによって誕生した本作は、以下のような流れで造られました:
- SMWSが過去に使用した熟成済みの樽(CODE:5、9、108)をブルワリーに提供。
- その樽にて、スプルース(トウヒ)の新芽を使ったスタウトビール(アルコール度数10.4%)を熟成。
- ビールが完成し、缶詰された後、再び空樽をSMWSが引き取り。
- 最終的にスペイサイド産モルトウイスキーを樽詰めし、熟成。
- ブレンドにはファーストフィル・バーボン樽も加え、バニラの甘みをプラス。
風味と味わいの特徴
このボトルは、以下のような味わいが楽しめると日本支部がコメントしています:
- スプルースの新芽由来の清涼感ある草木の香り
- 焦がし砂糖や綿菓子のような柔らかな甘さ
- スタウト熟成由来のロースト感とコク
- バーボン樽由来のクリーミーでリッチなバニラの甘味
クラフトビールとウイスキー、双方の魅力が調和し、これまでにないユニークなフレーバープロファイルを実現しています。
コード番号とテイスティングについて
SMWSでは蒸留所名の代わりに独自のコード番号を用いており、今回も例外ではありません。
コードの読み解き方については、こちらの記事が参考になります:
まとめ
ザ・スコッチモルトウイスキー・ソサエティによる今回のリリースは、ウイスキーの世界に新たな可能性を示す挑戦です。
クラフトビールとモルトウイスキー、それぞれの技術と情熱が融合した逸品は、まさに“飲む体験”そのもの。
- SMWSとパースシャーのブルワリーによるコラボレーション
- スタウト熟成→ウイスキー再熟成という異例のプロセス
- バーボン樽ブレンドによる奥行きある甘味
- スプルースの香りとロースト感が際立つ味わい
- コード番号による蒸留所非公開スタイル
希少かつ芸術的なこのボトル、まさに一度は味わいたい逸品です。
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