2025年4月2日、スコットランド・アイラ島を拠点とするブルイックラディック蒸留所は、米国の非営利団体ジェームズ・ビアード財団(JBF)と、2025年の活動支援および持続可能性プログラムにおけるパートナーシップを締結したと発表しました。
これにより、同蒸溜所はJBFの主催する「Chef Action Summit」および「Chef Bootcamp for Policy and Change」の専属ウイスキーとなります。
食と社会をつなぐ料理人育成への支援
この提携は、フードシステム全体における持続可能な実践と、料理業界における前向きな変化を支援するブルイックラディックの姿勢を反映しています。
ブルイックラディック蒸溜所CEO、ダグラス・テイラー氏は次のように述べています。
「Bコーポレーションの認証企業として、私たちはビジネスを“善の力”として活用することに情熱を注いでいます。シングルモルト・スコッチ・ウイスキーの持つ風味の豊かさを真に活かすためには、ウイスキーの原料である大麦との結びつきを再構築しなければなりません。」
ブルイックラディック蒸溜所では、多様な大麦品種の個性と風味を探究するのみならず、地元生産者の支援、持続可能な農業、土壌の健康といった要素を重要視しています。
JBFとの共通の価値観
JBFの「Good Food for Good®」という理念と、ブルイックラディックの「進歩、コミュニティ、サステイナビリティ」を重視する姿勢は見事に一致しています。
JBFのCEOは、「彼らの支援により、シェフ・アドボケートの育成を継続し、業界とフードシステムの持続可能な未来に必要なツールをシェフに提供することが可能となる」と感謝の意を示しました。
主な支援イベント
ブルイックラディックは以下のJBFプログラムにおいて独占スポンサーとなります:
- Chef Action Summit(4月開催):全米の料理人が政策や社会的影響に関するトレーニングを受ける場。
- Chef Bootcamp for Policy and Change(5月・9月開催):フードシステムに影響を与える政策や課題に取り組むためのリーダーシップ育成プログラム。
これらの取り組みは、シェフたちが社会課題への意識を高め、持続可能で公平なフードシステムを構築するための実践的なスキルを提供します。
ブルイックラディック蒸溜所のサステナビリティと挑戦
ブルイックラディック蒸溜所は、1881年にハーベイ兄弟によって創設され、2001年の再開以降、可能な限りアイラ島内での一貫生産に取り組んでいます。
2004年にはアイラ島産大麦の使用を開始し、現在ではその比率が年間生産量の50%を超える状況です。
2003年には自社ボトリングホール、さらに複数の熟成倉庫も設けられ、すべてのウイスキーが島内で蒸溜、熟成、瓶詰めされる体制が整えられています。
世界初のBコープ認証ウイスキー蒸溜所
2020年、ブルイックラディックは世界初のBコーポレーション認定スコッチウイスキー蒸溜所となり、環境・社会・透明性において高水準の持続可能性を証明しました。
2023年には初回スコアを21%上回る100.7ポイントを獲得し、再認証を達成。
次回の認証は2026年に予定されています。
ブルイックラディックの主なウイスキーラインアップ
名称 | 特徴 |
---|---|
ブルイックラディック | アイラ島産ノンピーテッド・シングルモルト |
ポートシャーロット | ヘビーピーテッド・アイラ・シングルモルト |
オクトモア | 世界で最もピーティとされるスコッチ・ウイスキー |
ジェームズ・ビアード財団(JBF)について
JBFは501(c)3認定の非営利団体であり、「Good Food for Good®」を理念に掲げ、持続可能で公平かつ活気ある独立系レストラン業界の発展を目指しています。
40年にわたり、シェフをはじめとする料理業界の人々を育成・支援し、食文化と社会の橋渡しを行ってきました。
JBFは料理賞、アドボカシー、教育プログラム、イベントを通じて全米に影響を広げ、ニューヨークの新拠点「Platform by JBF®」も注目を集めています。
詳細は公式サイト(https://jamesbeard.org)および@beardfoundationのSNSをご参照ください。
まとめ
- ブルイックラディック蒸溜所がジェームズ・ビアード財団と2025年の提携を発表
- Chef Action SummitとChef Bootcampプログラムの独占スポンサーに就任
- フードシステムの持続可能性とシェフの育成に貢献
- アイラ島産大麦、島内一貫生産など地域と環境を重視した蒸溜所
- 世界初のBコープ認証を取得したスコッチウイスキー蒸溜所として再認証も達成
- 持続可能性を軸にしたウイスキーづくりと社会貢献の融合を体現
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