スコットランドのジョン・スウィニー第一大臣は、ドナルド・トランプ前米大統領によって導入された新関税にもかかわらず、スコットランドと米国の関係を「強化していく」と表明しました。
タータン・ウィークのためニューヨークを訪問中のスウィニー氏は、スコッチ・ウイスキー産業をはじめとする業界関係者と会談し、経済連携の強化を目指す姿勢を明確にしました。
米国市場への影響とスコッチ・ウイスキー
今回導入された10%の新関税は、スコットランドからの全商品に適用され、スコッチ・ウイスキーをはじめとする主要輸出品に大きな影響を与えると懸念されています。
2024年のスコッチ・ウイスキーの対米輸出額は9億7,100万ポンドにのぼり、2位のフランスとは2倍以上を記録する最大の市場です。
さらに、スコットランドの蒸溜所では年間約3億ドル相当の使用済みバーボン樽を米国から輸入しており、ウイスキー生産のサプライチェーン全体が米国との結びつきに依存していることが伺えます。
スウィニー氏のコメント:絆と貿易の維持を強調
スウィニー氏は「スコッチ・ウイスキーはスコットランドの経済革新の粋を集めた真にグローバルなブランドです」とし、同製品が「スコットランドへの国際投資を呼び込むパスポート」であると強調しました。
「世界経済がますます不安定になっているにもかかわらず、スコットランドと米国は、長年にわたり築かれてきた社会的・経済的・文化的な強固な絆で結ばれている」と述べ、経済連携の維持と深化に尽力する姿勢を示しました。
スコッチ・ウイスキー協会(SWA)も支持表明
スコッチ・ウイスキー協会(SWA)のCEO、マーク・ケント氏は、「スウィニー第一大臣の取り組みを全面的に支持する」とコメント。
スコッチ・ウイスキーが米国で生み出す雇用や経済効果を強調し、「これは一方通行の貿易ではなく、米国のパートナーとの相互関係に基づいた協力体制である」と述べました。
同氏はさらに、「スコッチ・ウイスキーはスコットランドの対米輸出の約4分の1を占めており、米国との連携は今後の発展に不可欠である」とし、関税の影響を最小限に抑えるためのパートナーシップの維持・強化を求めました。
まとめ
- ジョン・スウィニー第一大臣、タータン・ウィークで米国との関係強化を明言
- 米国はスコッチ・ウイスキー最大の輸出市場(2024年見込み:9億7,100万ポンド)
- トランプ氏の新関税(10%)が輸出に影響を与える可能性
- 年間3億ドル相当のバーボン樽をスコットランドが米国から輸入
- スコッチ・ウイスキー協会(SWA)も経済関係の強化に全面支持
- 両国の貿易と文化の絆を維持・発展させる取り組みが継続中
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