メーカーズマーク、70年ぶりの新境地へ——スターヒル・ファーム・ウイスキーをリリース

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バーボン界の象徴、メーカーズマークが創業以来初となる全く新しいスタイルのウイスキーを発表しました。

その名も「スターヒル・ファーム・ウイスキー」。1

953年の創業以来、伝統的なホエーテッド・バーボンに注力してきた同ブランドが、70年以上の時を経て新たな一歩を踏み出します。

注目のリリースは、小麦を主原料としたアメリカン・ウィート・ウイスキーであり、熟成・ブレンド・ボトリングに至るまで革新的な手法が採用されています。

目次

スターヒル・ファーム・ウイスキーとは?

この新たなウイスキーの名称は、ケンタッキー州ロレットにあるメーカーズマーク蒸溜所の本拠地「スターヒル・ファーム」に由来します。

同ブランドにとって初の“小麦ウイスキー”であり、以下の特徴があります:

  • マッシュビル構成:小麦61%、麦芽20%、麦芽19%(複数の比率のブレンド)
  • 原料:全てソフトレッドウィンター小麦
  • 熟成年数:7〜8年
  • アルコール度数:57.35%(114.7プルーフ)、カスクストレングスでボトリング

蒸留は2016〜2017年の秋に行われ、メーカーズマーク伝統の製法を守りつつも、樽ローテーションを行わずに自然のまま熟成が進められました。

新デザインとアイデンティティの刷新

スターヒル・ファーム・ウイスキーのボトルには、従来のメーカーズマークに欠かせなかった赤いワックスシールが存在しません

その代わり、ユニークなボトル形状と落ち着いたラベルデザインが、新たなカテゴリーであることを物語ります。

また、この製品はエステート・ウイスキー認証も取得しており、原料穀物はすべて自社管理地で栽培され、製造も同地内で完結。

この認証は、環境に配慮した生産体制の象徴であり、再生農業への取り組みとともに発表されました。

テイスティングノート

  • 香り:バターキャラメル、ゴールデンレーズン
  • 味わい:蜂蜜がけのトフィー、アップルパイのスパイス、トーストしたピーカン、ソフトなシナモン
  • 印象:小麦ならではの穏やかで親しみやすい風味が特徴

発売と入手情報

内容詳細
商品名スターヒル・ファーム・ウイスキー
アルコール度数57.35%(カスクストレングス)
容量750ml
熟成年数7年〜8年
希望小売価格100ドル(米国)
発売地域アメリカ・イギリス:2025年5月〜、オーストラリア:2025年後半〜
購入方法一部小売店、およびロレットの蒸溜所予約体験者向け販売

マスターディスティラーのコメント

メーカーズマーク蒸溜所のマスターディスティラー、ブレイク・レイフィールド博士は次のように述べています:

「私たちは試行錯誤を繰り返しながらも、製造プロセスの核となる蒸留条件を一貫させました。熟成中の樽の移動をやめたことは、私たちにとって大きな挑戦であり、それがウイスキーの深みと複雑さを生む結果となりました」

「また、木材科学の専門知識を活かし、複数のオークを試験的に導入。特定のオークが多層的な香味を与える一方、馴染みあるオークもウイスキーに安心感を与えてくれました。私たちのスターヒルファームは、熟成の可能性を証明するラボでもあります」

サステナビリティと未来への展望

メーカーズマークはこのリリースに合わせ、今後3年間で100万エーカーの農地を再生指定地に移行するという大規模な環境目標を掲げました。

スターヒル・ファーム・ウイスキーの開発は、気候変動と向き合う蒸溜業界の姿勢を象徴する一歩でもあります。

まとめ

  • メーカーズマークが創業以来初のウィート・ウイスキーを発売
  • スターヒル・ファーム・ウイスキーは自然熟成とカスクストレングス仕様
  • 赤ワックスを省いた新ボトルで新たなブランド展開を示唆
  • 味わいはトフィーやアップルパイ、シナモンが主軸
  • 環境配慮型エステート・ウイスキーとしての認証を取得
  • 2025年5月より米英で販売、年1回のリリース予定

70年目の挑戦は、メーカーズマークにとって過去最大の革新かもしれません。次なる1本に期待せずにはいられません。

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この記事を書いた人

Yasui Youheiのアバター Yasui Youhei ウイスキープロフェッショナルの資格を持つシェフ

私は、ウイスキープロフェッショナルの資格を持つシェフです。ウイスキーの魅力を一人でも多くの人に広めたいと思い、ブログを開設しました。|TWSC審査員|ウイスキー文化研究所認定ウイスキーコニサー|調理師|1児のパパ

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