ケンタッキー州の名門、ミクターズ蒸留所が「レガシーシリーズ」の2025年版を発表しました。ラインナップは「シェンクス・ホームステッド・ケンタッキー・サワーマッシュ・ウイスキー」と「ボンバーガーズ・デクラレーション・ケンタッキー・ストレート・バーボン」。
この2本は、1753年創業以来の蒸留所の歴史に敬意を表しつつ、現代的な樽選定技術を駆使した限定リリース。伝統と革新が融合するこのシリーズは、コレクターだけでなく「ミクターズらしい深い味わい」を求める愛好家にもおすすめです。
読者の疑問を解決する
- 「レガシーシリーズとは何?」
- 「シェンクスとボンバーガーズって何が違うの?」
- 「どんな樽熟成で、どんな味?」
- 「価格やスペックは?」
こうした疑問に、ウイスキー専門家として分かりやすく答えます。
レガシーシリーズとは
ミクターズの「レガシーシリーズ」は、蒸留所の歴史を称える特別なボトリング企画です。
そのルーツは1753年。ペンシルベニア州でジョン・シェンクが設立したシェンクス蒸留所に始まり、19世紀には「ボンバーガー蒸留所」と改名。1950年代以降は「ミクターズ」という名で知られるようになりました。
この歴史を再解釈し、現代の技術と感性で再現するのがレガシーシリーズのコンセプトです。
シェンクス・ホームステッド 2025の特徴
2025年版「Shenk’s Homestead Kentucky Sour Mash Whiskey」は、ミクターズが誇るサワーマッシュ製法の原酒をベースに、フレンチオークのトースト樽仕上げを採用しました。
フレンチオークの特徴
この樽はヴォージュ山脈の森で育ったフレンチオークを使用。アメリカンホワイトオークに比べ、よりきめ細かいタンニンとスパイスのニュアンスを持ちます。
マスターディスティラーのダン・マッキー氏は「ライ麦の特徴を際立たせるために選んだ」と語っており、瓶詰め時には「力強く、長く続くベーキングスパイスの香り」が感じられるとのことです。
テイスティングノート(公式コメントより)
- 香り:ベーキングスパイスが中心
- 味わい:ライ麦由来のスパイス感を土台に、フレンチオークの柔らかいバニラやトースト香
- 余韻:長く続くスパイシーさとオークの深み
ボンバーガーズ・デクラレーション 2025の特徴
一方、「Bomberger’s Declaration Kentucky Straight Bourbon」は、よりワイルドで複雑なオーク使いが魅力です。
チンクワピンオーク樽の採用
熟成責任者アンドレア・ウィルソン氏によれば、2025年版では18ヶ月、3年、4年、5年と異なる期間自然乾燥させたチンクワピンオーク材で作られた樽を使用。
オークの乾燥工程が変わることで、熟成中に抽出される香味成分の化学的性質が変化し、ウイスキーに多層的な個性を与えます。
テイスティングノート(公式コメントより)
- 香り:リッチなオーク、ダークスパイス
- 味わい:複雑なウッディさ、キャラメルやダークフルーツのニュアンス
- 余韻:厚みのある甘さとウッディなスパイス感
スペック表
項目 | シェンクス・ホームステッド 2025 | ボンバーガーズ・デクラレーション 2025 |
---|---|---|
タイプ | ケンタッキーサワーマッシュウイスキー | ケンタッキーストレートバーボン |
アルコール度数 | 45.6% ABV | 54% ABV |
樽仕上げ | フレンチオーク(ヴォージュ産)トースト樽 | チンクワピンオーク(自然乾燥18ヶ月〜5年) |
容量 | 750ml | 750ml |
希望小売価格 | 110ドル(元の金額:約17,300円) | 120ドル(元の金額:約18,900円) |
発売予定 | 2025年7月 | 2025年7月 |
生産国 | アメリカ(ケンタッキー州) | アメリカ(ケンタッキー州) |
料理ペアリング提案
シェンクス・ホームステッド
- スパイスを効かせたローストポーク
- クローブ香るアップルパイ
- 熟成チーズ(コンテ、グリュイエール)
フレンチオーク由来のベーキングスパイス香とマッチし、料理のコクを引き立てます。
ボンバーガーズ・デクラレーション
- スモークBBQブリスケット
- ダークチョコレートテリーヌ
- ブラックペッパーを効かせたステーキ
強いオーク感とダークスパイスを活かし、肉の脂やスパイシーさを受け止めます。
飲み方のおすすめ
- ストレートでの香味把握がおすすめ
- 少量加水でスパイスやバニラ感を開く
- 氷は香味を抑えるため、慎重に使用を検討
特にシェンクスはトースト樽由来の香りを繊細に感じるために、軽い加水程度でのテイスティングが理想です。
まとめ
ミクターズ「レガシーシリーズ」2025年版は、蒸留所の270年以上に及ぶ歴史を現代の技術で再解釈した2本です。
シェンクスはライ麦のスパイスをフレンチオークで上品に引き立て、ボンバーガーズは多段階乾燥チンクワピンオークで複雑な深みを追求。
どちらも限定的なリリースであり、ミクターズファンやバーボン愛好家にとって見逃せないコレクションアイテムと言えるでしょう。
記事の要約(箇条書き)
- ミクターズがレガシーシリーズ2025年版を発表
- 2本:シェンクス・ホームステッド(サワーマッシュ)とボンバーガーズ・デクラレーション(バーボン)
- シェンクスはフレンチオークのトースト樽仕上げでスパイシー
- ボンバーガーズは多段階自然乾燥チンクワピンオークで複雑なオーク感
- それぞれ異なる樽選定で味わいを差別化
- アルコール度数45.6%と54%、価格110ドル(約17,300円)/120ドル(約18,900円)
- 2025年7月発売予定
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