スコットランド南東部のザ・ボーダーズ蒸溜所は、初のシングルモルト「The Borders Single Malt First Release」を2026年9月24日に発売します。
スコティッシュ・ボーダーズ地方で蒸留されたシングルモルトとしては、1837年以来、約200年ぶりのリリースです。
蒸溜所から約30マイル以内にある10軒の農家が育てた大麦を使い、ファーストフィル・バーボン樽で熟成した後、マルムジー・マデイラ樽で仕上げています。
この記事では、8年熟成のファーストリリースが生まれた背景、地域の大麦と製法、公式情報から考えられる味わい、日本で購入する際の注意点を紹介します。
ザ・ボーダーズ ファーストリリースの商品情報
ザ・ボーダーズ ファーストリリースは、2018年に最初の樽へ原酒を詰めた蒸溜所が、8年間待って完成させた初のシングルモルトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | The Borders Single Malt Scotch Whisky First Release |
| 日本語表記 | ザ・ボーダーズ シングルモルト・スコッチウイスキー ファーストリリース |
| 発売日 | 2026年9月24日 |
| 熟成年数 | 8年 |
| 熟成樽 | ファーストフィル・バーボン樽 |
| 後熟樽 | マルムジー・マデイラ樽 ※二次情報で補足確認 |
| アルコール度数 | 46% |
| 容量 | 700ml ※二次情報 |
| 製法 | ノンチルフィルタード |
| 限定本数 | 世界10,000本 |
| 英国希望小売価格 | 46ポンド(約9,700円) |
| 日本発売 | 未確認 |
英国価格と容量、マルムジー種のマデイラ樽という詳細は、海外専門メディアの報道で補足しました。
日本円は2026年9月21日の1ポンド=約210円で換算した概算で、送料、税金、為替手数料を含みません。
英国では蒸溜所公式サイト、ホーイックのビジター施設、専門店で販売される予定です。
国際展開も予告されていますが、日本の発売日、正規輸入元、国内価格、割当本数は確認できていません。
1837年以来となるスコティッシュ・ボーダーズ産シングルモルト
ファーストリリースの大きな意味は、新しい蒸溜所の初商品というだけでなく、スコティッシュ・ボーダーズ地方へシングルモルトの生産を取り戻したことです。
ザ・ボーダーズ蒸溜所は、織物産業で知られるホーイックにあるヴィクトリア朝時代の建物を再生し、2018年から蒸留を始めました。
蒸溜所は今回の商品を、ボーダーズ地方で1837年以来初めて蒸留・熟成されたシングルモルトと説明しています。
スコッチウイスキーは、スペイサイド、アイラ、ハイランドなどの有名地域で語られることが多く、ボーダーズ地方は一般的な地域区分として目立つ存在ではありませんでした。
その空白を埋める最初の一本だからこそ、単なる限定ボトルではなく、地域の農業とものづくりを再びウイスキーへつなぐ節目となります。
10,000本を売り切った後、同じファーストリリースは再生産しないと蒸溜所が明記している点も、この商品の位置づけを明確にしています。
半径30マイル以内の大麦と72時間発酵
ザ・ボーダーズ蒸溜所は、蒸溜所から約30マイル以内にあるスコットランドの10軒の農家から大麦を調達しています。
種から蒸溜所までの来歴を追える大麦を使い、地域の原料を商品の物語だけでなく、実際の酒造りへ組み込んでいる点が特徴です。
発酵時間は72時間で、4基の銅製ポットスティルは、蒸留液と銅の接触を増やすように構成されています。
銅との接触が増えると、蒸留液に含まれる硫黄系の成分が取り除かれやすくなり、重い香りを抑えた、すっきりとした酒質へつながります。
その結果、発酵によって生まれた果実香が隠れにくくなり、軽やかでフルーティな原酒の輪郭が表れやすくなるのでしょう。
蒸溜所もニューメイクを「軽やかでフルーティ」と説明しており、銅との接触を増やした蒸留設計は、その酒質を支える要素の一つと考えられます。
ただし、完成品の味は蒸留だけで決まるものではありません。
地元大麦、発酵、蒸留によって造った果実味のある原酒を、ファーストフィル・バーボン樽とマデイラ樽がどう支えたかまで見ると、蒸溜所が目指すハウススタイルが分かりやすくなるでしょう。
バーボン樽とマデイラ樽による味わい
ファーストリリースは、ファーストフィル・バーボン樽を熟成の土台にし、最後にマルムジー・マデイラ樽で仕上げています。
ファーストフィルとは、スコッチウイスキーの熟成に初めて使う樽を指し、前に入っていたバーボン由来のバニラやカラメル、蜂蜜の要素が表れやすいことが特徴です。
対してマルムジーは、マデイラワインの中でも豊かな甘さを持つタイプとして知られ、ドライフルーツや丸みを加える方向が考えられます。
蒸溜所が公開したテイスティングノートを、香り・味わい・余韻に分けると次のとおりです。
| 項目 | 公式テイスティングノート |
|---|---|
| 香り | サルタナレーズン、柑橘、カラメル、蜂蜜、バニラ、ジンジャーブレッド |
| 味わい | 熟したベリー、ステムジンジャー、ブラウンシュガー、カカオ、バターを感じさせるビスケット |
| 余韻 | ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ドライフルーツ、砂糖漬けの柑橘、穏やかなオーク |
当サイトでは未試飲のため、これらは蒸溜所による表現ですが、ピートではなく果実、甘さ、ナッツを中心にした方向が見えてきます。
どのような方に向くウイスキー?
ザ・ボーダーズ ファーストリリースは、新しい蒸溜所の節目だけでなく、土地と原料のつながりを重視したウイスキーに関心がある方へ向く一本です。
バーボン樽由来のバニラや蜂蜜、マデイラ樽由来と考えられるドライフルーツを好む方にも、香味の方向を想像しやすいでしょう。
46%のノンチルフィルタードで瓶詰めされるため、最初はストレートで香りを確認し、刺激が強ければ少量の水を加える試し方が考えられます。
一方、スモーキーな香りやカスクストレングスの力強さを最優先する方とは、求める方向が異なるかもしれません。
英国希望小売価格は46ポンドですが、日本で同じ価格帯になるとは限らず、並行輸入では送料や税金も加わります。
日本発売が未確認の段階では、希少性だけで購入を急がず、正規流通の発表と総支払額を確認してから判断してください。
まとめ
「ザ・ボーダーズ シングルモルト ファーストリリース」は、ボーダーズ地方で1837年以来となるシングルモルトです。
蒸溜所から約30マイル以内にある10軒の農家が育てた大麦を使い、72時間の発酵と銅との接触を重視した蒸留を経て造られています。
8年間熟成した原酒は、ファーストフィル・バーボン樽を土台に、マルムジー・マデイラ樽で仕上げられました。
公式ノートからは、蜂蜜やバニラ、カラメルに、レーズン、ベリー、ナッツが重なる果実味豊かな方向が読み取れます。
世界10,000本限定で、同じファーストリリースは再生産されません。
歴史上の「最初」だけでなく、地域の大麦と蒸溜所が目指すハウススタイルを味わう入口として注目したい一本です。
日本での発売条件は未確認のため、国内正規販売の続報を待ちつつ、海外購入時には配送、税金、補償を確認してください。


