台湾のカバラン蒸溜所は、フランスの酒類専門店ラ・メゾン・デュ・ウイスキーと共同で、5種類のシングルカスクを発表しました。
いずれも一樽だけの原酒を加水せずに瓶詰めする、シングルカスク・カスクストレングスのシングルモルトです。
オロロソシェリー樽やヴィーニョ・バリックに加え、「Peatist(ピーティスト)」と「Peated Cask(ピーテッドカスク)」を含む、煙の要素を持つ3商品も選ばれています。
この記事では、2027年版カタログへ収録される5商品の違い、名称が似たピート系商品の見方、フランス限定流通と日本から購入する際の注意点を紹介します。
ラ・メゾン・デュ・ウイスキーが選んだ5種類
今回の5商品は、ラ・メゾン・デュ・ウイスキーが展開する2027年版カタログ「The Anthologists(ジ・アンソロジスツ)」へ収録される予定です。
| 商品 | 樽・表記から分かる特徴 | 確認状態 |
|---|---|---|
| カバラン ソリスト オロロソシェリーカスク | オロロソシェリー樽 | 商品名を確認。樽番号・度数・本数は未確認 |
| カバラン ソリスト ヴィーニョ・バリック | ワイン樽をSTR処理したヴィーニョ・バリック系 | 商品名を確認。今回の樽仕様は未確認 |
| カバラン ピーティスト エクスバーボンカスク | ピーティスト表記と元バーボン樽 | 商品名を確認。煙の由来・ピート値は未確認 |
| カバラン ピーティスト オロロソシェリーカスク | ピーティスト表記とオロロソシェリー樽 | 商品名を確認。煙の由来・ピート値は未確認 |
| カバラン ソリスト ピーテッドカスク | ピーテッドカスク表記のシングルカスク | 煙の由来、樽番号、度数は未確認 |
5商品はすべてシングルカスクのため、一般流通している同名シリーズと樽番号やアルコール度数、瓶詰め本数が異なります。
発表資料では商品名まで確認できますが、蒸留年、熟成年数、樽番号、度数、価格、限定本数は公開されていません。
ラベルは自然の質感と抽象芸術から着想を得たデザインで、5樽を一つの企画として見せる構成です。
商品名だけで既存ボトルと同じ仕様だと判断せず、2027年版カタログと販売ページの公開を待つ必要があります。
オロロソとヴィーニョ・バリックはどう違う?
5商品の中で、カバランらしい濃厚な樽熟成を分かりやすく選ぶなら、ソリストの2商品が基準になります。
オロロソシェリーカスクは、シェリー樽由来のドライフルーツ、ナッツ、スパイスを連想しやすい構成です。
対してヴィーニョ・バリックは、ワイン樽を削り、焼き、再び焼き締めるSTR処理によって、果実味と木の甘さを引き出すことで知られています。
どちらも濃い色や甘い香りを想像しやすい樽ですが、オロロソは乾燥果実やナッツ、ヴィーニョは熟した果実やカラメルへ向かう違いに注目すると選びやすくなるでしょう。
ただし、これは各シリーズの一般的な樽特性から考えられる方向です。
今回選ばれた一樽の公式テイスティングノートは未発表であり、当サイトも未試飲のため、実際の香味を断定することはできません。
シングルカスクでは同じ樽種でも個体差が大きいため、最終的な判断には樽番号ごとの商品情報が欠かせません。
ピーティスト2種とピーテッドカスクは同じではない
今回のラインアップでは、ピーティストのエクスバーボン樽とオロロソシェリー樽、ソリストのピーテッドカスクという3商品が並びます。
名称は似ていますが、すべてを同じ「ピーテッド・カバラン」として扱うのは早計です。
ピーティスト2種は同じシリーズ名を持ち、樽がエクスバーボンとオロロソシェリーに枝分かれしています。
一方、ソリスト ピーテッドカスクはシリーズ自体が異なり、商品名では「ピーテッドカスク」の影響を前面に出しています。
今回の発表資料だけでは、煙がピーテッド麦芽、熟成樽、または両方のどこに由来するのか、各商品のフェノール値がいくつかまでは確認できません。
エクスバーボン樽はバニラや柑橘の方向、オロロソ樽はドライフルーツやスパイスの方向を加えやすいため、同じピーティストでも樽による枝分かれが注目点です。
正式な商品ページが公開されたら、煙の由来、樽履歴、度数を確認したうえで比較する必要があります。
カバラン20周年とLMDW70周年をつなぐ企画
2026年は、カバランが初めて蒸留を行ってから20年、ラ・メゾン・デュ・ウイスキーが創業してから70年に当たります。
両社は10年以上にわたって協力しており、今回の5樽は一度限りのイベント商品というより、フランスと西ヨーロッパで台湾ウイスキーを紹介してきた関係の節目として選ばれました。
ラ・メゾン・デュ・ウイスキーは、毎年のカタログで世界各地の蒸溜所からシングルカスクや限定品を選定しています。
2027年版のテーマ「The Anthologists」は、個別の樽を集め、一つのコレクションとして提示する考え方です。
カバラン側にとっては、オロロソ、ヴィーニョ、バーボン、ピートという異なる方向を一度に示せる構成。
5商品を単独で見るだけでなく、台湾の高温多湿な熟成環境から生まれた原酒を、フランスの専門店がどのような樽の幅で選んだかを見る企画と捉えると、関係性が分かりやすくなります。
日本から購入できる?
今回発表された5商品は、ラ・メゾン・デュ・ウイスキーの2027年版カタログ向けに選ばれた商品です。
ヨーロッパの愛好家へ紹介すると発表されていますが、日本への正規輸入、国内発売日、販売店は確認できていません。
また、5商品とは別に、Whisky Live Paris限定の「カバラン ソリスト ピーテッドカスク」も発表されています。
カタログ掲載品とイベント限定品は同じ商品名ですが、シングルカスクである以上、別の樽と考えるのが自然です。
ただし、樽番号が未公表のため、両者の違いを現時点で断定することはできません。
海外購入を検討する場合は、販売地域、日本への酒類発送、容量、度数、税込価格、関税・酒税、破損時の補償を確認してください。
日本で通常販売されているカバランの同名シリーズとは別商品なので、ラベル、樽番号、販売者を見ずに購入しないことも大切です。
まとめ
カバランとラ・メゾン・デュ・ウイスキーは、2027年版カタログ向けに5種類のシングルカスクを発表しました。
ラインアップは、ソリストのオロロソシェリーカスクとヴィーニョ・バリック、ピーティストのエクスバーボン樽とオロロソ樽、ソリスト ピーテッドカスクです。
すべて一樽限定のカスクストレングスですが、樽番号、蒸留年、度数、価格、瓶詰め本数は未発表となっています。
ソリスト2種ではシェリー樽とワイン樽、ピーティスト2種ではバーボン樽とオロロソ樽の違いが比較の軸です。
さらに、名称の似たソリスト ピーテッドカスクが加わり、カバランにおける煙の表現を複数の方向から見られる構成となりました。
日本発売は未確認のため、まずはラ・メゾン・デュ・ウイスキーが公開する2027年版カタログと、樽ごとの販売ページを待つ必要があります。
出典
- カバラン提供プレスリリース(英語)
- カバラン提供プレスリリース(フランス語)
- ラ・メゾン・デュ・ウイスキー公式カタログ一覧
- 情報確認日:2026年9月21日


