スターリングシャー州カランダーに、新たなクーパー(樽職人)施設「トロサックス・クーパレージ」が設立されました。130万ポンド(約2億7,000万円)という大規模な投資によって誕生したこの協同組合は、スコッチ・ウイスキー業界の伝統技術を守り、持続可能な未来を築くことを目的としています。
ゲイリー・ドラモンド氏による主導で技術継承へ
この施設の中心人物は、18年以上の経験を持つ2代目クーパー、ゲイリー・ドラモンド氏。バラチャランにあるカンブスモア・エステートの敷地内で操業を開始し、初年度には12名の雇用が予定されています。うち4名は熟練のクーパーで構成され、さらに4名の見習い職人が採用される計画です。
施設は将来的にトレーニング・ハブとしての認定を目指しており、全国協同組合連合会への加盟も視野に入れています。若手育成を通じて、樽製造技術の継承と発展に貢献します。
スコッチ業界が直面する樽供給の課題
現在、スコッチ業界では技術者不足や補修体制の限界により、多くの樽が廃棄されています。このため、高価なファーストフィル・カスクへの依存が進み、コストや環境負荷が問題視されています。
トロサックス・クーパレージはこうした課題に対応するべく、樽の修復・再生・強化技術を駆使し、再び充填可能な状態に樽を蘇らせることを目指します。廃棄物削減やコスト圧縮だけでなく、持続可能な生産体制の構築にも寄与します。
投資家とパートナーの支援体制
このプロジェクトには、起業家のアラン・ライト氏とティム・アラン氏によるスコットランド投資コンソーシアムが参画。アラン氏はスコットランド商工会議所の会頭やV&Aダンディーの理事長も務めた経験があり、多方面にわたる見識を持ちます。
さらに、会計・経営コンサルタントのジョンストン・カーマイケルなど、戦略的パートナーによる支援も得ており、理念である「技術・持続可能性・スコットランドの職人技」の実現を目指します。
まとめ
- スターリングシャー州カランダーに新協同組合「トロサックス・クーパレージ」設立
- 130万ポンド(約2億7,000万円)の投資による創設
- 初年度12名を雇用予定(見習い職人4名含む)
- 樽の修復・再利用によってスコッチ業界の課題解決を図る
- 廃棄削減・環境対策・技術継承の拠点として期待
- 起業家と戦略的パートナーによる支援体制が構築済み
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