ザ・マッカランは、20年熟成のシングルモルト「TIME : SPACE Sherry Cask(タイム:スペース シェリーカスク)」を発表しました。
注目したいのは、単にシェリー樽で熟成したマッカランという点ではありません。
ザ・マッカランの傘下に入ったシェリーメーカー「バルデスピノ」のシェリーでシーズニングした樽を、初めてウイスキーの仕上げに使った商品です。
2024年に蒸溜所へ届いた最初の200樽から一部を選び、20年熟成原酒を一定期間なじませています。
この記事では、通常のシェリー樽熟成との違い、バルデスピノとの関係、公式テイスティングノートから読み取れる味わい、日本での販売状況を紹介します。
TIME : SPACE Sherry Caskの商品情報
TIME : SPACE Sherry Caskは、ザ・マッカランとスペイン・ヘレスのつながりを、20年熟成原酒と新たな樽調達の物語で表したシングルモルトです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商品名 | The Macallan TIME : SPACE Sherry Cask |
| 日本語表記 | ザ・マッカラン タイム:スペース シェリーカスク |
| 発表日 | 2026年9月17日 |
| 熟成年数 | 20年 |
| アルコール度数 | 44.8% |
| 容量 | 700ml(海外販売情報) |
| 熟成・仕上げ | 主にシェリーでシーズニングしたヨーロピアンオーク樽で熟成後、バルデスピノのシェリーでシーズニングした樽でマリッジ |
| 色 | ナチュラルカラー |
| 英国参考価格 | 1,100ポンド(約231,000円)※二次情報 |
| 日本発売 | 未確認 |
英国参考価格は海外専門メディアが報じたもので、ザ・マッカラン公式ページでは価格を確認できませんでした。
日本円は2026年9月21日の1ポンド=約210円で換算した概算であり、税金、送料、為替手数料は含みません。
英国では9月17日からハロッズ内のザ・マッカラン・ブティックで先行販売され、10月から販売地域を広げると報じられています。
日本での正規発売日、希望小売価格、販売本数は発表されていないため、海外価格だけを基準に国内販売条件を予想しないほうがよいでしょう。
バルデスピノのシェリー樽は何が新しい?
ザ・マッカランは以前から、シェリーでシーズニングしたオーク樽をブランドの重要な要素としてきました。
シーズニングとは、完成した樽へシェリーを一定期間入れ、木材へ酒の成分をなじませてからウイスキーの熟成に使う工程です。
今回の違いは、ザ・マッカランが所有するバルデスピノのシェリーを使ってシーズニングした樽が、初めて商品へ採用されたことにあります。
バルデスピノはスペイン・ヘレスでシェリーを造る生産者で、ザ・マッカランとの関係は単なる樽の購入先にとどまりません。
樽材の管理、樽の製作、シェリーによるシーズニング、ウイスキーの熟成までのつながりを深めることで、ザ・マッカランが求める樽の個性をより継続的に確保する狙いが見えてきます。
ただし、本品の20年間すべてをバルデスピノの樽で熟成したわけではありません。
主な熟成には従来のシェリーシーズニング樽を使い、最後にバルデスピノ由来の樽で原酒をマリッジした商品と理解するのが正確です。
20年熟成原酒を2段階のシェリー樽で仕上げる
TIME : SPACE Sherry Caskは、シェリーでシーズニングしたヨーロピアンオーク樽を中心に20年間熟成した原酒を土台としています。
その後、2024年にザ・マッカランへ届いた、バルデスピノのシェリーでシーズニングした最初の200樽から一部を選び、原酒を移してマリッジしました。
ここでいうマリッジは、複数の原酒を一つにまとめ、別の樽で香味をなじませる工程です。
最初の熟成だけで完成させず、異なるシェリーの影響を持つ樽と接触させることで、ドライフルーツ、スパイス、チョコレート、オークの層を重ねる構成となっています。
TIME : SPACEコレクションは、ザ・マッカランの200周年を背景に、時間とウイスキー造りの関係を表現してきました。
今回の20年は過去の熟成原酒だけで完結せず、2024年に導入した樽を加えることで、蒸溜所の過去と今後の樽づくりを一本へつないでいます。
熟成年数の長さだけでなく、どの段階で新しいシェリー樽の影響を加えたのかを見ると、この商品の立ち位置が分かりやすくなるでしょう。
公式情報から見る味わいの方向性
ザ・マッカランは、香りにシェリーを含んだレーズン、イチジク、メジュールデーツ、フランジパーヌ、焦がしたトフィー、キャラメリゼしたナッツを挙げています。
味わいはサルタナレーズン、デーツ、アプリコット、ジンジャーケーキ、糖蜜のトフィー、ブラックベリージャム、チョコレートをまとったチェリーという説明です。
余韻にはクローブやシナモン、カカオニブ、磨かれたオーク、エスプレッソを思わせる要素が続きます。
当サイトでは未試飲のため、これらはザ・マッカランによる公式テイスティングノートであり、実飲した感想ではありません。
ドライフルーツと焼き菓子の甘さだけでなく、木のスパイスやコーヒーの苦みを伴う構成から、濃厚な甘さ一辺倒ではない方向が考えられます。
44.8%という度数は、長期熟成によるオークの存在感を保ちながら、香味の層をゆっくり確かめる仕様と見ることができます。
飲む機会があれば、最初から大きく加水せず、少量をグラスに注いで時間による香りの変化を追いたい一本です。
どのような方に向くボトル?
TIME : SPACE Sherry Caskは、20年熟成という数字だけでなく、ザ・マッカランのシェリー樽調達が変わる節目に関心がある方へ向く商品です。
シェリーオーク系マッカランを飲んできた方なら、従来の樽で育てた原酒へバルデスピノ由来の樽がどのような表情を加えるのかが注目点になります。
ドライフルーツ、チョコレート、スパイス、オークを軸にした公式ノートから、熟成感のあるシェリー樽系モルトを好む方にも候補となるでしょう。
一方、英国参考価格は1,100ポンドと報じられており、気軽に日常で飲む価格帯ではありません。
内容物だけでなく、TIME : SPACEコレクションの位置づけ、専用デキャンタ、バルデスピノとの最初の取り組みに価値を感じるかで判断が分かれます。
日本発売は未確認のため、並行輸入品を検討する場合も、正規流通の続報、販売者、税込価格、保管状態を確認してから選んでください。
まとめ
「ザ・マッカラン TIME : SPACE Sherry Cask」は、20年熟成原酒へバルデスピノのシェリーでシーズニングした樽の影響を加えたシングルモルトです。
主にヨーロピアンオークのシェリーシーズニング樽で熟成した後、2024年に届いた最初の200樽から選んだ樽で原酒をマリッジしています。
バルデスピノのシェリーを用いた樽が商品へ採用されるのは、同社がザ・マッカランの傘下に入ってから初めてです。
公式ノートでは、ドライフルーツ、焼き菓子、チョコレート、スパイス、オークが重なる香味を示しています。
未試飲の段階で価格に見合う味わいとは断定できませんが、ザ・マッカランが将来のシェリー樽づくりをどのように組み立てるかを示す一本として、長期的な意味を持つでしょう。
日本での発売日、価格、販売本数は未確認のため、購入を検討する場合は国内正規販売会社からの正式発表を待つのが確実です。


