シェリー樽で育ったマッカランを、バーボンが入っていた樽へ移して、さらに熟成する。
新コレクション「カルタ・ナウティカ(Carta Nautica)」には、そんな樽の使い方をしたシングルモルトが登場しました。
ただし、4商品すべてが同じ熟成工程というわけではありません。
年数や度数に加え、樽を移す順序や原酒の組み合わせにも目を向けたいシリーズです。
カルタ・ナウティカの4商品を比較
| 商品 | 熟成年数 | アルコール度数 | 公式情報で確認した特徴 |
|---|---|---|---|
| ディスティルド・イン・1987 | 38年 | 45.2% | 1987年蒸溜、2026年瓶詰め。シェリーシーズニング樽から元バーボン樽へ移して熟成 |
| 20イヤーズ・オールド | 20年 | 42% | シェリーシーズニング樽で熟成後、元バーボン樽で熟成を継続。トラベルリテール向け |
| 105プルーフ | 年数表記なし | 52.5% | シェリーシーズニングしたアメリカンオーク樽と元バーボン樽を組み合わせ、一部はシェリーシーズニング樽で熟成を終える構成 |
| カルタ・ナウティカ(年数表記なし) | 年数表記なし | 数値本文での照合未完了 | 105プルーフ同様、複数の樽の経路を組み合わせる説明 |
容量、価格、限定本数、日本発売は、今回確認した範囲では未確認です。
比較の基準に置くなら、熟成工程を追いやすい20年でしょう。
シェリー用に調整した樽から元バーボン樽へと移る流れは、38年にも共通しています。
一方、105プルーフと年数表記のない商品は、異なる樽で育った原酒を組み合わせる説明になっています。
同じシリーズ名でも、単純な年数違い、度数違いとは捉えないほうがよさそうです。
商品を選ぶ際には、長く熟成したものを求めるのか、複数の樽が重なる香味に関心があるのかで、見るべき一本も変わってきます。
「シェリーとバーボン」だけでなく、樽の順序を見る
本作を知るうえでは、使った樽の名前と、使った順序を分けて考えることが大切です。
シェリーシーズニング樽とは、ウイスキーを入れる前にシェリーで調整した樽のこと。
対して元バーボン樽は、以前にバーボンの熟成に使われた樽です。
20年と38年では、一つの原酒が前者から後者へ移り、熟成を続けたと公式に説明されています。
これは、それぞれの樽で別々に育てた原酒を後で混ぜる方法とは異なります。
ただし、各樽で過ごした期間までは今回照合できていません。
最後の樽だけで味が決まると考えず、それまでの熟成を重ねた原酒が、さらに別の樽に触れていると捉えると、工程をイメージしやすいでしょう。
シリーズ全体の紹介より個別商品ページを優先し、4本すべてを同じ順序と断定しないようにしています。
バニラや果実、ナッツの甘み。どんな香味が気になる?
公式の香味説明では、ドライフルーツだけではなく、バニラや柑橘、ナッツを思わせる甘みも手掛かりになります。
以下はメーカーの説明の要約で、当サイトの試飲結果ではありません。
| 商品 | 公式説明に基づく香味の例 |
|---|---|
| 38年・1987年蒸溜 | バラ、カラメルをまとった桃、年月を感じさせるオーク |
| 20年 | クリーミーなバニラ、オレンジピール、パイナップルやマンゴー、桃の紅茶 |
| 105プルーフ | ナッツの甘み、バニラ、レモン、トフィー |
| 年数表記なし | ナッツを思わせる穏やかな甘み、バニラ、レモン、蜂蜜 |
果実とバニラの重なりに惹かれる方には、20年の説明が気になるのではないでしょうか。
一方、ナッツやトフィーの甘みを好み、度数にも関心があるなら105プルーフが候補になります。
高い度数はおいしさの順位ではありませんが、加水しながら飲みたい方には選ぶ際の違いになるでしょう。
38年も希少性だけでなく、花や桃、オークという香りの組み合わせを入口に見ると、数字以外の魅力へ目が向きます。
まとめ
カルタ・ナウティカは、樽の種類だけでなく、原酒がどんな順序で樽を巡ったかにも関心を向けたいコレクションです。
20年と38年の熟成工程に対し、105プルーフなどでは複数の原酒を組み合わせる説明があり、4本を一括りにはできません。
日本での販売条件は未確認ですが、商品説明を読む視点として持ち帰れるものはあります。
「何の樽か」に加えて、「いつ、その樽へ入ったのか」。
そこまで目を向けると、シェリー樽やバーボン樽という身近な言葉の中にも、まだ知らない熟成の違いが見えてくるでしょう。


